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- Re: *Rainbow story*【短編集】 ( No.1 )
- 日時: 2015/05/22 22:48
- 名前: 海苔 (ID: RGtt012g)
「…はぁ。」
杉崎春香、14歳。
知らないうちに、初恋を奪われました__________。
***
イヤッホウゥゥゥゥゥゥ!!今日から中2だぜぇっ!!
…今アホって思った奴、グランド10周な。もちろん冗談。
なんて1人茶番をしていたら、人にぶつかってしまった。
この人…噂の転校生か。
「あぁっ…!!ご、ごめんね?」
「別に。」
そっけなく返しちゃう。このままどっか行くんだろうな。
しかし彼は、予想の斜め下を付いてきた。
「じゃ、せっかくだし友達になろーよ!!」
…何言ってんだコイツは。
今の話のどこにそういう話が出たし。
しかしコイツはほっとくと面倒そうな奴っぽいな…。
「…まぁ、いいけど。」
「ホントに!?やったぁーっ!この学校で初の友達!!」
なるほど、コイツは世に言うワンコ系の男子か…勉強になった。
しかしコイツが大声を出すせいで注目の的だ。ましてやコイツは転校生。
あぁ、見ないでくれ。目立つのは嫌いなんだ…
「嬉しいわー、嬉しすぎて泣けそう…ヤバ、笑えてきた…」
大声で笑い出した。やめて、もうやめて。
「あー…教室行ったら?」
「あ、名前なんていうの?」
「少しは話を聞け」
こうして、彼___隼人と会ったのだ。
***
彼に会って、もう5ヶ月。秋になってしまった。
随分と立ったような気もするし、そうでもない気もする。
彼は鈍感というか…天然というか…どこか抜けてる。いろいろ心配だし、私の気持ちにだって気付いてないと思う。
「春香ー!!勉強教えてー!!」
「…数学以外なら別にいいけど?」
とはいえ、隼人は顔立ちはイケメンだし、運動も結構出来る。つまりはモテるのだ。
女子から嫉妬されているのも分かっている。
でも______好きなんだ。
私は、今日決心した。
来週の、文化祭で告白しようと___________。
***
…やっぱり緊張する。
「春香、今日アイツに告白するんでしょ?がんばってねー!?」
でも、親友だって応援してくれている。
せめて気持ちだけは、伝えたい。
自分の鼓動と同じくらいのリズムで、一歩一歩彼の元へ進んでいく。
______隼人の目の前まで来た。
ここまで来たら、もう後戻りは出来ない。
私はあの時から、隼人とたくさんのことをした。
校外学習の班も一緒で、委員会も一緒で。
二人で、いろんなことをしてきた。
もしかしたら、その頃からすでに好きだったのかもしれない。
でも、その思いを伝えるのは、今がチャンスなんだ。
もしかしたら、今しかないのかもしれない。
「隼人、私は……」
どうしてもサッと言えない。言ってしまおうよ、私。
「あんたのことが、そのっ…嫌いの反対っ!」
素直に言えないけど、これが私の精一杯の告白。
隼人がどう思ってるかなんて、分からない。
けど、私は思いを伝えられた。
それだけで、今はとても嬉しいから_________。
「お、俺も好きだよ…春香。」
彼の口からその言葉が出るまで、そう時間はかからない。