コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 自然とは知識か魔術か ( No.7 )
- 日時: 2015/06/06 13:40
- 名前: るるる ◆Blm6HP8B/E (ID: 3W5gzPo5)
結局あの座談会は何だったのだろう…
第三話「やっと始まる」
「じゃあ私たちは何にする?」
そう言うと蓮は首をかしげた。
「何でお前らが決めるんだ?」
「あ、それはな、自然ナビってのは一生付くんだ。
だから就職活動の時も同じ職業に入りなおす」
蓮が納得すると、雪がこう言った。
「桜は仙人ね。それから私は精霊使い」
「仙人って何だ?」
「あー、それはいわゆるアドバイザーみたいなもんだ。魔術とか使って敵の位置を調べたりする」
蓮は今日二度目の納得をした。
何だかんだあって、蓮たちは就職活動場についた。
場所は百花街の近く、〈不撓森林〉の中だ。
「何か‥‥凄いな」
「まあ、それは分かるかも」
こそこそ話していると、場長に注意された。
「こら!ここからは私語厳禁じゃ」
すると、隣に誰か来てこう言った。
「まあまあ、場長さんよ。今ではもうルールは変わっている。気長に行こうよ、気長に」
その男は背が高く腰に刀を掛けていた。
あれが侍だな、と蓮は思った。
そして男が言ったことについては蓮はもちろん、雪も桜も知らなかった。
- Re: 自然とは知識か魔術か ( No.8 )
- 日時: 2015/06/06 14:33
- 名前: るるる ◆D2li.87dWw (ID: 3W5gzPo5)
「これより、活動を始める。
魔術系の職業は不撓森林北へ。
知識系の職業は不撓森林南へ行け。方位磁針は今から配る」
場長がそういうと、先ほどの侍がやってきた。
髪は黒髪でロングだ。後ろで束ねているのであまり邪魔ではなさそうだ。
だがその目つきは至って真剣で、この視線の先に鴨がいたら間違いなく逃げてそうだ。
「えー、私語は禁止にはしないができるだけ慎むように。あまりにもうるさい人がいたら方位磁針の赤いボタンを押せ。俺がそこに行って注意する。
またもし森林の中でオオカミや熊が現れたら青いボタンを押せ。自動的に方位磁針が切りつける」
「やっぱどんな職業も変わっていないのね」
「どういう意味だ?」
「俺たち自然ナビも同じような就職活動内容だったんだ」
「へえ」
聞いたのにも関わらず桜に答えられると興味がなくなる。
これは『お前、そんなことも知らないの』攻撃のせいだろう。
方位磁針を頼りに歩いていく。
途中何もなく無事についたので「この方位磁針過保護だね」なんて言い合った。
北には少し細長い蝋燭があった。これは火属性の為だろう。
仙人の為の平穏な人工もいる。精霊使いの場所は精霊がいてそれを操れみたいなことが書いてある。
そして水属性の場所は杖と小さめのプールが置いてある。
「何か用意周到だな」桜が急に声を出す。
「自然ナビはただ自然について教えられるだけだったからね」雪が答える。
「…そうなのか… それにしてもすごい」
蓮はずっと、息を飲んでずっと見惚れていただけだった。
少し待っているとメガネの女の人が入ってきた。
その女の人はパンパンと手を二回たたく。
そのおかげでみんなの視線が女の人に集まった。
「どうも、第一次職業の魔術講師を務めている4歳の蒼藍です。
これからあなたたち自然の子をビシビシ鍛えていくつもりよ。
…まあ、体罰なんかしないし怒らないと思うけど。
じゃあ、一生に一度の就職活動、楽しんでいってね!」
- Re: 自然とは知識か魔術か ( No.9 )
- 日時: 2015/06/06 15:06
- 名前: るるる ◆D2li.87dWw (ID: 3W5gzPo5)
蒼藍がそういうと半分が「はい」と答え半分がしんとなった。
「あ…ごめんなさい、自然ナビさんは2回目か。
…それは置いといて、
人間の間に生まれた1歳の子がいるそうね。出てきてらっしゃい!」
「…どういうこと?」
おそらく自分だと思っている蓮がそういう。
「あ…それはな、この自然ナビ以外の奴で人間の間に生まれた子は一人だけ、それもお前だけだ。ちなみに俺たちもそうだぜ、双子だから二人だけどな」
「…なるほど」
重要なことだからなのか自分のことだからなのか桜が答えても興味が出た。
そして蒼藍が言った人が自分だと分かると話していた間を取り戻すために急ぎ足で蒼藍のもとへ向かった。
「お…、遅れてすみ、ません」
走ってきたので荒い息だったがそれでも何とか挨拶をした。
「別に大丈夫だけど、もしかしてあなたって自然ナビがあなたと同じような双子だったりするかしら?」
「あ、はい、そうです」
「…運がいいわね」
そう言うと、蒼藍は前を向いた。
「これから、入職式を始めるわ。蓮の自然ナビさん、出ていらっしゃい」
『はい』
桜と雪の声がすると、いつの間にか二人は蓮の隣に立っていた。
「雪ふぶき、用意」
「桜の花びら、用意」
雪と桜のそれぞれがふぶきなどを持っている。
「じゃあ、今から二人を浮かせてこれらを散らすから、一人どちらかひとつを持ったら座る。行くわよ」
講師というだけあって、指を鳴らす…ではなく、杖を二ふりして呪符を唱えるとすぐに浮いた。風属性らしく、杖の色は緑っぽかった。
入職式は実際すぐに終わった。数が数だし、二人いる。結果、蓮だけが残った。
「蓮君は水属性志望。私からこの強化された杖をあげます」
強化された杖というだけあって、一振り軽く振るだけで水しぶきが起きた。
そして無事、入職式は終わった。
2時間後位あとは陽がとっぷりと暮れていた。
この2時間で、まずは基本行動について教えられた。
人工から攻撃を受けた時の為の休憩の仕方や応急処置の包帯の巻き方など、さまざまなことを教えられたが、後衛はあまり覚える意味がないので、三人の頭の中からは吹き飛んでいた。
それでも最低限のことは覚えたので、安心して戦闘に臨むことができるだろう。
寝床は蒼藍が用意してくれた。風で折れた木をかき集めたかと思うと、ものすごいスピードで建て、羊毛を敷いたベッドを置いた。
消毒のために消毒の風を送ると寝床の完成だ。
そして皆、寝床に入った途端夢の中に入った。