コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 亡き恋人に、愛を誓う 【オリキャラ募集中!】 ( No.3 )
- 日時: 2016/01/06 13:43
- 名前: *織* ◆wXeoWvpbbM (ID: 9/mZECQN)
- 参照: とらじです☆
第一章〔姫と不幸な冒険者〕
第一話
「だーかーらー! お城には立ち入り禁止って言ってるだろ!?」
「そこをなんとかお願いします! 今日中に姫様に会わないと……」
「──あんた……姫様に呼ばれてきたのかい?」
「はい……」
僕、パウロは至って普通の冒険者。
今は『ランミール』という国のお城の前にいる。
ランミールの姫様に呼ばれてきたのだが……
どうも門番の女海賊が通してくれない。
「──分かった。姫様に呼ばれてきたのなら仕方ないな。迷惑をかけないようにな」
「あ、ありがとうございます!」
門番の女海賊も納得したようで、門の鍵を開けてくれた。
僕は深くお辞儀をして扉を開け、入ってすぐの階段を三段抜かしでかけ上がる。
──これでも結構体力に自信ははあるのだ。
「姫様!」
やっとのことで王室のある四階につき、息を荒げながら呼吸を整える。
「パウロ様……」
「おお! パウロ殿! まさか本当に来てくれるとは……! わしの娘の婿にしたいぐらいじゃ……!」
「お父様! 冗談早めてください! パウロ様には心に決めた方がいらっしゃるのですよ!?」
「おお、そうじゃったな!
──入ってすぐ、王様は笑顔で笑いながらそう言い、姫様に注意されると笑顔のままで僕の方に向かって歩いてきた。その後ろを姫様も続いてくる。
「パウロ様、本日はお忙しいなか来てくださり、ありがとうございました」
「ちょっ……そんな大袈裟な…………そんなことより、用件というのは?」
「──実は……」
姫様が深刻な顔で言ったのは、こんなことだった。
最近、この辺りが魔物によって荒らされてるらしく、昨夜はランミールの近くの『イルマ』という村もも荒らされたらしい。
全然知らなかったが、酷い話だ。
──さらにこの話には続きがあるようで……
100年前にも同じようなことが起こったようなのだ。
ランミールの南にある、今は無き城『オルセーア』は、魔物達の手によって滅ぼされたらしい。
今、オルセーア城があった場所には兵士や、その魔物を倒した冒険者達が祀られている祠があるらしい。
──だから百年前と同じような悲劇を繰り返さないよう、姫様は僕に依頼してきたのだ。
──魔物を倒してくれるよう。
「無理なことはわかっています。ですが──」
「分かりました。引き受けましょう」
僕は姫様の言葉を最後まで聞かないうちに、そう返事をした。
今、自分でもビックリしてる。
「……本当ですか!? ありがとうございます!」
先程の深刻な顔とは違う、明るい笑顔で姫様はそう言い、
「ではまずはここで旅の支度を十分にしてからにしてくださいね?」
「パウロ殿! 街の者と城のものには伝えておく。好きなものを買っていくがいい!」
続いて王様もそう言った。
──何でも、って結構すごいよね。
「ここから西に歩けばイルマの村があります。どうかおきをつけて!」
「はい!」
姫様の期待を、国のみんなの期待を裏切らないよう、僕は旅の支度を十分に整え、魔物に教われた村、イルマへと旅だった。