ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

《第二十三話》

「ローサ様は？」
「それが……私たちが来たときには既に居なくて……」

　僕の問いに、フェルナは小さくそう答えた。
　ーーつまり、ローサ様の居場所は誰も知らないってことなのかな……。

「……城の中を探索するか。案内できる者はいるか？」
「あ、私が案内しますっ」

　コールが言ったのに返事をしたのはローラ。
　どうやら、ローサ様を見つけるにはこのひろーいお城の中を探索するしかないようだ。

「えぇっと……行きそうな場所から行きましょうか。兵士さんたちにも色々聞いてみましょう」

　そう言って、一階へと続く階段を降りていくので僕も慌てて後ろをついていく。
　このお城は本当に広い。初めてじゃなくても迷子になっちゃうくらい。
　この王座がある部屋には入り口から階段一つで行けるから迷うことはないんだけど……他の部屋とかは造りが複雑らしい。一部トリックアートもあるとかないとか。

「すみません、ローサ様を見掛けませんでしたか？」
「ローサ様？　う〜ん……ここは通ってない気が……」
「そうですか……ありがとうございます」

　こんな調子でさっきから兵士さんやらメイドさんやらに聞いてるけど……手がかりは全然なし。
　本当にローサ様は何処に行ったのだろうか……。

　早くしないと、リリスが何をしでかすか分からないし……早く見つけなきゃだよね……。