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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 『他人の不幸は蜜の味』 ( No.26 )
- 日時: 2016/03/06 16:30
- 名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: gF1/UC.2)
プロローグ
この世には、そんなことわざがある。
知らないよ、と立ち去る人。
皮肉だね、と口ずさむ人。
いろいろいるけれど、多分、その意味を、本当の意味で理解している人は———
————わたしだけなんだろう。
- Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ【四百回突破!】 ( No.27 )
- 日時: 2016/03/06 17:10
- 名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: gF1/UC.2)
以降本編
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*
ビルの生い茂る、心ないコンクリートジャングル。
通りですれ違う人たちは皆疲れ切った溜め息顔で、見てるこっちが淀んじゃう。
どうしてそんなに不幸なの?
どうしてそんなに俯くの?
———空はこんなに青いのに。
ふと見上げてみると、空は、自転車置きの屋根がせり出して、ここだけ薄汚れた色になってしまっていた。
「はぁ」
思わず、溜め息が漏れる。あ、今の仕草、ちょっと可愛かったかな?
立ち止まって辺りを見回すと、通りの向こう側のビルが、ぴかぴかに磨かれて真っ黒な鏡みたいになっていた。ちょうどいいや。
「わぁ!!」
一目散に駆け寄ると、赤い車にクラクションを鳴らされた。
「もう、何よ! 危ないじゃない!!」
それでも何とか渡り切り、スカートと一緒にくるりと翻ってビルのガラスを覗きこむ。
前髪が少し、左によってしまっていた。手櫛で軽くかきあげてから、指先でさらさらと横に流す。
「よし! まぁ、こんな感じでしょう!」
意気込んでガッツポーズ。我に返り高熱。
なんだろう。きょうのわたし、テンション高め?
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