コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- No,0脱走 ( No.2 )
- 日時: 2015/09/26 12:12
- 名前: ブランシュ (ID: /bKE8PZK)
「マリエ様。お父様がおよびです」
・・・嫌、父の元へ行きたくない。
「食事の時間です。降りてきてくださいまし」
・・・部屋で食べたい。一人にして。
「ご就寝の時間です」
・・・まだ眠くない。
_____勝手に決めないで。自由がいい。自由になりたい___
親は教育という名のもと子供を支配し、国は法律という名のもと国民を支配する。
誰しもがその一人のはずだ。
しかし、その支配は子を思い国民を思いの支配のはずだ。
だが、私は違う。
_____そこにはどうしても私を支配しなければいけない理由があった。
*
森のなかには、足音だけが響きわたる。
うしみつどき、少女の影がゆらりと動いた。
月明かりに照らされ少女は進む。
進んで進んで。目的地などはなしに必死にただただ駆け抜ける。
少しでも遠くにいきたくて。支配からまぬがれたくて。
転んでは立ち、また転んで立つ。
休憩などなしにずっと足を動かし。
____街へでたときは___
- No,1成功 ( No.3 )
- 日時: 2015/11/08 00:03
- 名前: ブランシュ (ID: /bKE8PZK)
目が覚める。
重たい瞼をあけると、目の前にはピンクの天井が飛びこんできた。
「ここ・・・どこ?」
窓からはいる朝日が少女を照らす。
少女は、起きたばかりの脳をフル活用させ、昨日のことを思いだそうとした。
昨日・・・・昨日は・・・・私・・・・何をして・・・・?
どうしても思い出せない。
おいかけてくる自分の影。
私の影をそめる大きな影。
ゆれる影。
丑みつ時。
__必死にかける。
パーツごとには思い出せたがスベテがつながらない。
わからない。
昨日・・・昨日・・・・
なにかが・・・なにかを・・・
必死にさがそうとしても、思い出そうとしてもあと1ピースみつからない。
記憶のピース。パズルのピースが。
__なに?__なぜ?__どうして?____
わからない。
ガチャリ。突然足元から音がした。ビックリして音の方を見ると、さっきはしまっていたドアが開いていた。
「調子はどーぉ?大丈夫?」
そして、そこにはきらびやかな少女がたっていた。
- Re: その姫 change the ギャル。 ( No.4 )
- 日時: 2015/11/25 17:05
- 名前: ブランシュ (ID: /bKE8PZK)
きらびやかな少女は名を水野里麻(mizuno rima)といった。
彼女いわく、通称キャデーとよばれるここはシェアハウスだという。
しかも、「若者専用」。さらには、「お洒落なギャル大歓迎」
ってことで、ギャルが集まっているらしい。
メンバーはおもに5人。
「んでんで?まりえってぃは、どーすんの?」
私にホットミルクをだしてくれた里麻ちゃんは、キッチンのカウンターごしに言った。
ちなみにだが、まりえってぃというのは里麻ちゃんが私につけてくれたあだ名だ。里麻ちゃんはここでは、「りまたん」とよばれているからそう呼んでほしいと言ったが、初対面だしなんだか恥ずかしくて言えない。
「どうしようかな・・・昨日どこでなにしてたかすら覚えてないんだよね・・・」
「え、まぢ?!やばばばばっ!!!!」
まじです、どうしましょう。
里麻ちゃんいわく、私はキャディーの近くの道路で倒れていたらしい。それを里麻ちゃんが連れてきて、キャディーに運び入れたようだ。
そして、現在。
キャディーの空き部屋で寝かされていた私は、起きたはいいが記憶がない。
「本当にどうしよう・・・」
そうつぶやいたのと同時だった。
「よし。まりえってぃ!!!!まりえってぃは今日から、ここの住人ねっ!!」
とっぴょうしもないことをいきなり彼女は言う。
「え、何言ってるの・・・?私、お金もなんもないんだよ・・・?」
私がそういうと、彼女は不適な笑みをこぼし言った。
「そりゃあ、もちろん。働いてもらいますよ?」
「え、いや。だってわたし・・・高校生だし、昨日までの記憶、ほとんどないんだよ?そんなの採用してくれるバイトなんて・・・」
ないにきまってる、そう言いかけたとき___
「ええーい!!!くよくようるさぁい!!!はい、まりえってぃ正社員として採用!!これで仕事の心配なぁ〜しっ!!!!」
「えっ・・・?」
ちょっと待って。理解が追い付かない。
正社員?採用?何の?
そんな疑問は、里麻ちゃんの次の一言できれいさっぱりなくなる。
「私、実はね。自分のお店もってんの。それでね__」
彼女は彼女のブランド、「ジェリービーンズ」という通商ジェービ(服屋)を経営しているそうだ。
ここにすんでいる里麻ちゃんあわせ5人はジェービで働いている、と里麻ちゃんは言う。
まぁ、しいて言えばここはジェービのスタッフハウスということ。
それなら、生活費の心配も要らない。
昨日までのことをゆっくりと思い出せる時間もある。
「まりえってぃ、どーする?はいる?」
言葉にすると軽く聞こえる里麻ちゃんの発言は、どこか真剣で、私も真剣に答えなきゃな、と思った。
「古城まりえ(koshieo marie)、キャディーにはいらせていただきます!!!」
私の声がキャディーに響きわたった。
____これが物語の始まり。
- No,3彼女の境遇。 ( No.5 )
- 日時: 2015/12/13 18:11
- 名前: ブランシュ (ID: ptSF.ucw)
「んー、まずは外見かな〜・・・よし、まりえってぃ行くよ!」
そういって、りまちゃんはキャディーのそとへ私をひっぱりだそうとした。
「え、いや、りまちゃん。待ってよ!」
思わず、そういってしまった。
なんだか、りまちゃんのペースにのまれている気がする。
「待つって何よ〜ってか、りまちゃんとかやめてよーん、りまたん、ね?」
うん、分かったから。で、どこにいくんですか。
そう言おうとしたときだった。
とても綺麗な少女が、私達の横を通りすぎてキャディーへはいっていこうとした。
とても、ギャルといえるような格好や顔立ちではなく、きれいなモデルさんみたいな。外見じゃなくて、ギャルは中身が大事なんかも。
少女をじっとみていたら、少女はキャディーの前で立ち止まって、りまちゃんのほうをみて言った。
「店長、買い出し終了しました。お店を開けるまであと1時間37分です。それまでにもどってきてください」
よくみると、その少女はどこか見たことがあるような気がした。
どこでだろう。
ていうか、すっごいきっちりしている子だな、あの子もギャルなの?
そんな疑問がうかんだが、心のなかに止めておくことにする。
私が見とれていると、少女は、キャディーへはいっていった。
「りまちゃん、あの子はだレ?」「だから、りまたん!」「ああ、ごめんなさい。りまたん?」
無理矢理りまたんと言わされたが、なんだかそう呼ぶことで親しさをもった気がした。
よし、これからはそう呼ぼう。
「あの子ね、私の妹なの。ジェービの従業員!」「え、妹?!」
正直、すごく驚いた。
あの顔立ち、どこかみたことあるって、りまたんだったんか・・・
お人形のように可愛らしいりまたん。そして、モデルさんのような顔立ちの妹さん。
母親はさぞ綺麗なんだと思う。
「妹さんがあんなに綺麗で、りまたんもかわいいんだから、お母さんも綺麗なんだろうなぁ。お母さんはどんなひとなの?」
興味本意だった。
世間話程度だった。
りまたんをもっと知りたいと思った。
ただ、それだけ。
それだけだった。
ただ・・・ただ・・・・
「何言っているの。私には母親なんていないよ。ここにいるキャディーの皆もよ。私たちは、親に捨てられたの。親が嫌で。いなくて。寂しくて。悲しくて。ここに集ったの。心にとめておいて」
悲しそうな顔をしてりまたんは言った。
私は、ただただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
「ま、そんな暗い話しはやめて!じゃ、気持ち切り替えてレッツラゴー!」
りまたんは、そういい走り出したが、りまたんのその笑顔はくもっているように思える。
「まりえってぃ早くー!!」「うん!今いく!」
私は、はじめて彼女等のおかれた冷たい境遇に居合わせたような気がした。