コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: もし、図書館で◯◯とぶつかったら、それは恋の始まりでしょう。 ( No.8 )
日時: 2015/07/26 08:44
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: DLYJwhjR)

『手伝ってやるって。お前が困ってること。』
その台詞が頭の中でリピートし、私はフリーズ。
胸が何気なくドキンとしたが、そこまでの衝撃ではなかったので、0.5秒くらいで解凍する。

「あ、あの、ど、どういうことでしょうか……」
しどろもどろになって、少々乱暴な美少年に尋ねる。

「いや、だからさー」
相手は少しイライラしながら答える。
彼はメガネをクイっと上げて、こう言った。

「数学手伝ってやる、ぶつかったお詫びに。」

ちょっと、待って!!

「何で私が数学に困ってるって分かったの!?しかもぶつかったのどう考えても私が悪いよね!?」

「だって、」

次の言葉が、爆弾になるとも知らずに、

私は、彼の言葉に期待してしまったのだった。

「お前、うっさいし、頭も悪そうだし。つーか悪いだろ。」

ピキピキ……!

「チョットあんた一体なんなのよ!?」
「はーい、ここは図書館。静かにしましょーねー。」
メガネのクソ美少年が注意してくる。
「うっ。」
すっかり忘れていた。
今まで普通に話していたことを後悔する。

「あのさ、数学を教えてくれるのは、すっご〜くありがたいんだけどさ。何で、私が数学が苦手だと分かったの?」
先ほどより、声をかな〜りひそめて、言う。

彼は凹凸のない声で答える。
「大量の数学の参考書の中身。
どう考えても、お前は、俺と同い年くらい…、中2くらいなのに、
平方根だの高校の数学だの難しい本ばっかり持ってたからな。
こいつ、高校数学できんのか!?と思って、しばらく観察してたんだが、
中学の参考書どころか、小学校の算数のドリルまで持ってくし。
ああ、本当のバカだな、と思ったんだよ。」
「お前をバカだ」と思ったわけを散々語られ、精神的ダメージをかなり受けたが、立ち直る。

「あの、あんた…あなたは数学が得意なんですか??」

「まあ、一応。数学は得意科目で、他の教科もそこそこいける。」
ああああ。
それ自分で言うんかい。

だが数学を教えてもらえるのは本当にありがたいので、そこは頭を下げてお願いをする。

「お願いします。」

通りすがり…いやぶつかりすがりのメガネの少年に、数学をびっちりと教えてもらうことに私はなった。