コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 壊れた恋の羅針盤。【12歳冬】 ( No.14 )
- 日時: 2015/09/30 19:48
- 名前: ことり ◆E09mQJ4Ms. (ID: /bKE8PZK)
島田大地、私と同学年。この街に住んでいるそうだ。
日焼けした肌。満面の笑み。はきはきした声。
それら全てが彼の性格を表していた。
「んで、どうしたん?」
彼の言葉が身にしみる。
そしてまた、彼の方言が私を安心させた。
「お母さんがっ・・・・・」
_______「一緒におったるで。俺が一緒におったる」
*
「お母さーん!ただいまー!」
「あ、おかえり」 「おかえり、さっさと手洗ってきな」
おばあちゃんもでてきた。
よかった、おばあちゃん許してくれたんだ。
帰ってきてよかった。もどってよかった。
これも全部大地のおかげ。
もし、あのまま逃げ出してたら後悔してた。絶対に。
______ありがとう。
*
「帰りな、おくるで」
「いや、いいよ。一人で平気」
「俺さ冬休み中、遊ぶ相手おらくてつまんねぇんだが。だでお前ん家行きたいでさ。道案内とでも思ってや」
「う、ん。わかった」
「上手くいくといいな、お母さんとおばさん」
「うん・・・」
「おばさんさ、悪い人じゃないと思うで?近所やで何回か話したことあるけど・・・」
「大地のいうことなら信用できるかも」
「だからおばさんのこと、おおめにみたってや?たぶん、久しぶりすぎて血がさわいだっていうの?かっとなったんだが」
「使い方違うけど・・・まぁ、うん。慰めてくれてありがと」
- 短くてすみません。 ( No.15 )
- 日時: 2015/10/09 18:05
- 名前: ことり ◆E09mQJ4Ms. (ID: /bKE8PZK)
「いってきます」
母はいつも持っているコジャレた鞄ではないく大きめのボストンバッグのようなものをもっていた。
___なんとなく嫌な予感はした。
「どこ行くの?!」
私が興味津々に聞くと母は微笑んで衣類をねいっぱいデパートへ買いに行きたいの、といった。
幼稚くさく、妙に説得力のある言葉に私は騙された。信じてしまった。
「いってらっしゃい」「いってきます」
その母の微笑みは、キレイデハカナカッタ。
触れてはいけないもののように。壊れてしまいそうだった。
_____その後ろ姿が最後だった。
ピシャッと音が鳴って閉まる扉は、まるで「さようなら」といっているようだ。