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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 幕間 黒猫レイくんのひとりごとPart.1 ( No.28 )
- 日時: 2016/01/09 19:47
- 名前: のれり (ID: R4l9RSpR)
幕間 黒猫レイくんのひとりごとPart.1
「じゃ、行ってきますね。レイ」
「うん、気をつけてね」
僕は手……いや、前足を振って愛華を見送った。
まぁ、幽霊に気をつけるも何もないけどさ。
僕と愛華が家を飛び出してからもう15年がたった。
早いもんだよね…
愛華ももう中学三年生。受験のシーズンだよねぇ……
「あははっ」
ほんと、笑いが止まらないよ。
だって……だってさ!?
愛華ったら、幽霊なのに中学校なんかに行って、必死に受験勉強なんかちゃってるんだよ!?
いやぁ~、笑いが止まらないね!
僕は庭の芝生の上に寝転んだ。
温かな日差しが心地いい。
僕達は……
ある空き家に住んでいるんだ。
ここが、居心地がいいんだよ。僕と愛華が住むには丁度いい広さだしね。
え?
僕のご飯はどうしてるのかって?
そんなの、決まってるよ。
ご近所のおばさまに媚びればラクショーラクショー♪
「うー……ん……」
なんだか、眠くなってきたな……最近、すごく眠いんだ。
そろそろ、年かな……僕も。
でも、15年以上も生きれば大往生かな。
ま、『今回の身体』はなかなか長持ちしたかな。
『次』は『どんな身体』か、楽しみだなぁ……。
僕の意識はしだいに波にのまれるように深く深く沈んでいった。
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