コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 哀愁物語ーもう一つの世界ー【オリキャラ募集中】 ( No.5 )
- 日時: 2015/08/07 19:30
- 名前: *織*(とらじ) ◆wXeoWvpbbM (ID: w2QxUPin)
第二話
「馬車?それならうちの宿屋に止めるといい。他のやつらと同様、餌もやっておくぞ」
どうやら宿屋に馬車を止めておくことができそうだ
餌もやってくれるなんて……凄いサービスだ
「そうそう、うちの村の離れに温泉があるから、いってみるといい。観光スポットとしても人気だぞ」
僕らは宿屋のおじさんに「夜来ます、ありがとうございました」と言い部屋を予約すると村を回り始めた
「ロミオ……」
「どうしたの?」
「私……ここに来てから気分が悪いの……」
確かに、オリビアはここに来てからなんだか顔色が良くなさそうだ
「大丈夫?先に宿屋行く?」
「大丈夫、この村の温泉は……気分を良くしてくれるって聞いているから……温泉に行きましょう……」
「……分かった。じゃあ何かあったら言ってね」
僕はそう言うとオリビアの手を握り、まわりの旅人に続いて温泉を目指した
*
「やぁお客さん。うちの温泉は怪我、気分、何でもよくしてくれる温泉としておすすめだよ!別々かい?混浴かい?」
「えっと別々で」
「了解、料金は━━━━」
僕が店の人とやり取りをしてるとオリビアがいきなり、「━━━あっ!」と声をあげた
やり取りを済ませてオリビアが見ている方を見るとそこには、
「あれ、リサとライじゃない?」
オリビアの言う通り……そこには、リサとライがいた
あっ、リサとライは双子でリサが妹。ライが兄。
で、まだ幼いんだけどライが勇者で何者かに追われてるから逃げながら旅をしてるんだって
「リサ!ライ!」
僕がそう叫ぶと、リサとライが金色の髪をなびかせ、こっちを向いた
すると二人の顔はパアッと明るくなりすぐにこちらに駆けてきた
温泉上がりなのか、二人の髪は少し湿っていた
「ロミオさん!オリビアさん!」
二人はすぐに僕らに抱きつくと
「僕ら……またロミオさんたちと旅してもいいかな?」
そう聞いてきた
「勿論!ロミオ、いいよね?」
「あぁ……ライ、リサ、何でこの村にいるんだ?」
「森のなか逃げてきたら……この村にたどり着いたの。でねっ今お兄ちゃんと温泉入ってきたんだ」
リサはそう言った
やっぱり、まだ逃げてたんだ……
「今から僕とオリビアは温泉入ってくるから……この券を持って二人で宿屋まで行けるか?」
「うん!ありがとう!」
ライに宿屋の券を渡すと僕らは別れて温泉へ入った
*
「ライ、リサ、お祭り行くか?」
「行くー!」
やっぱり子供だもんね。お祭り……楽しみにしてたのか
「じゃあ、絶対に僕とオリビアから離れるんじゃないぞ?」
「「はーい!」」
そう言った二人の笑顔は、とても愛らしかった
もともと子供が嫌いな僕だけど、この二人だけは別なのかもしれない
「そういえば、二人は知ってる?この村がこんなに綺麗な理由」
「知ってるよ」
僕らが聞きたかったことについて二人はあっさりと教えてくれた
この村では数年に一度、《ルイル》という高級な実がなる年があるらしい(村の名前もそこからとったらしい)
それでちょうどその年が今年で三週間ほど前に実がなり、その実をお城などに売った結果、沢山の利益がつき、村が裕福になったらしい
そのお金で村を改装し温泉を作り、もっと旅人が来るように村の位置を変更したらしい
何でライがこんなことを……
「逃げてるときにね、村の人が教えてくれたんだ」
ライはニコッと笑いながらそう言うとわたあめを口に頬張った
「この村の人はみんな親切だから……お兄ちゃんも仲良くしちゃうんだ」
親切……まぁ確かにそうかもしれない
「じゃあ二人とも、この近くにある《伝説の剣》の噂は知ってる?」
オリビアがそう言うと今度はリサがかき氷のごみを捨てながら答えた
「知ってるよ!だって私たち持ってるもん」
おぉ!知ってるんだ!しかも持ってるだなんて……
ん?持ってる?
伝説の剣を持ってるだとぉぉぉぉ!?