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Re: 哀愁物語ーもう一つの世界ー【オリキャラ募集中】お知らせ ( No.20 )
日時: 2015/11/22 15:50
名前: 夏目 織 ◆blHsRWSqAs (ID: .M49B5Sc)
参照: ちほりん→とらじ、澪羽、*織*→夏目 織、リザ、桜里

第十話


「おお!すげぇ!」

「すごーい!」

……そんな声が、ちらほらと聞こえてくる
人混みを掻き分けて見に行くが、やっぱりそこには鉄の柵の影で出来た扉しかない

「誰が行くか?」

「そりゃあやっぱり公平にじゃんけんで____」

行く?何処に?

もう何がなんだか分からないので、隣にいたおばさんに聞くことにした

「あの、あれなんなんですか?」

「あんた、知らないのかい!?……あれは、過去の世界に行くことが出来る扉だよ。この地方にあんまり来ないならあんたは運がいい。もっと近くで見てきなさい」

そういうとおばさんは俺の手を引っ張り、その扉のもとへと歩く

「なんだぼうず。旅人かい?」

すると、さっきの武器屋のおじさんがそう言って、

「じゃあ入んな。ほらよ」

俺の手を引っ張り扉の手前のところまで歩く

…………これ俺がはいんの?
こんな怪しいところに?

「ほら、行ってきな」

そう言って、床下を開けるみたいにおじさんは扉にてをかけた

ギイィィィ……

音をたてて、扉は開く
そっと、足を踏み入れてみる

中からは、眩い光が放たれていた

**

「…………ここは?」

あまりに眩しくて目をつぶっていたが、ゆっくり目を開けてみるとそこまで眩しくはない

あぁ、そうだ。
さっき過去に行ける扉に入ったんだっけ。

『ねぇ、一人で来たの?』

「!?」

声がして、あわてて回りを見回すが人の影はない。
立ち上がって、もう一度見回すと____

『ロミオ』

「わぁ!!」

突然、自分の名前を呼ばれて大声をあげる

後ろから声がしたので後ろを振り向くと、赤と白のワンピースを着て白銀のふわふわの腰ぐらいまでの髪で、ガーネットの瞳をした小さな女の子が立っていた

この子を俺は____知っている

小さい頃___十歳の時、七年前のオリビアだ。

やっぱりここは本当に過去の世界?

「オリビア……何で……?」

こういうときって、昔の自分とか昔の町の様子とかが出てくるんじゃないの?

オリビアはにっこり笑い、

『レインさんのところに戻らなくていいの?』

そう言った。

……そうだ。戻らなきゃ。

過去のオリビアじゃなくて____今のオリビアに会いに行かなきゃいけないんじゃないか?

『奥に、穴があるから。そこにはいったら戻れるから。……ここには長くいない方がいいよ』

オリビアは奥の方を指差して、そう言う。

何で長くいちゃいけないのだろうか?

『いっでもここにいると、現実に戻れなくなっちゃうの。ロミオも早く戻って』

現実に戻れなくなる……?
じゃあここには戻れなくなった人もいるってことなのか?

『早く。もう時間がないから。走って』

言われたままに、奥に向かって走る

もう少し、話したかったけど____オリビアを助けたら沢山話せるから、それまで待ってよう

オリビアの言った通り、足元にはマンホールほどの穴がある

迷わず、地面に手ついて
穴の中に入った