コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

幼馴染の立場 ( No.6 )
日時: 2015/11/12 18:34
名前: 希柳 (ID: mNBn7X7Y)

「もう疲れちゃった。」

そう君は言った。

「大丈夫。」

僕は言葉で励ますけど

「何が大丈夫なの。春に何がわかるの。」

言葉で励ましても届かなくて、

「皆に好かれて、ちやほやされてる春に何がわかるっていうの。」

君を苦しめるばかりで、

「もぅ、やだ。」

君を泣かせてばかりで、

自分がわからなくなる。

ずっと幼馴染として傍にいた僕に

君は心を開いてくれなくて、

君は笑ってくれなくて、

悲しかったんだ。


でもある日君は僕に笑って言った。

「私をわかってくれる人がいたの。」

そして気づいたんだ。

僕は君をわかってあげれてなかったんだなって事に。

そして君は言ったんだ。

「好きなの。あの人が。」

「私を一番に理解してくれてるの。私を一番に考えてくれるの。」

君が笑顔で言うから、

僕は何も言えなくて。




あぁ。今更遅いよね。

僕だって、君を好きだったんだ。

きっと君には届かない。

「春、幼馴染でいてくれてありがとう。こんな私の傍にいてくれてありがとう。」

君は知らない。

その言葉がどれだけ僕に突き刺さってくるか。




僕がどれだけ足掻いても幼馴染からは抜け出せない。


fin.