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Re: 我ら変人部っ! ( No.5 )
日時: 2015/12/04 22:35
名前: 彼方 (ID: dzyZ6unJ)

「………………ロリコン?」
 眉を潜めてロリっぽい三年生が呟く。そんな顔しても天使だ。俺ロリさえいれば生きていける。
「……ロリのどこがいいの?それちょっとあたし知りたいなーっ?もちろん拒否権は「ないですよね、知ってます」

 ロリのどこがいいか、か。それは、
「あどけない初々しさと穢れのない純真さと裏表のない性格とそれを肯定する輝くような笑顔ですよっ!もちろん巨乳なんて論外です、貧乳でこそですね。そしてあのロリ特有の透明な大きい目!薄い唇!触れたら壊れてしまいそうなほど薄い肩!すぐに折れてしまいそうなほど細い手足!つまるところロリの素晴らしさとは、少女が女性に成長する過程で多くの人が無くしてしまうものをたくさん持っているところ、つまり『未完成さ』なのですッ!____あ」
 手振りをつけて、ジャ○ネット髙田並みの熱弁を終えてから、自分の失態にようやく気がついた。
 終わった。これ俺ドン引きされて死亡確定。

 俺が頭を抱えていると、上から笑い声が降ってきた。佐渡先輩のものだ。
「あっはははっ!君面白いねっ?気に入ったっ!君、入部検討してみないーっ?哀衣先輩、どう思いますっ?」
「いいと思うぞ」
「……は!?い、今ので入部してもいいんですか……ッ?」
 訳が分からない。社会問題研究部だろ、何でロリコンだと入れるんだよ。

「いいよいいよーっ!だってうちの部の入部条件はただ一つっ!それは……」
「……それは?」
「『変人であること』、ただそれだけだからねっ!」
「……何でですか!?」
 俺がびっくりして叫ぶと、にやつきながらロリっぽい三年生が言った。
「社会問題研究部、という名前の由来が由来だからな。という訳でキミ、由来を当ててみろ。
 ヒントその一、創部者の二人は英梨とマゾのような奴だった。ヒントその二、社会問題、の頭文字をとってみろ」

 社会問題、か。……S、それとM……ん?
 創部者が佐渡先輩とマゾ先輩のような人、というのと合わせて考えると____
「……SM……研究部?」
「その通りっ!」
 ____それは何とも、アブナイ部名だ。
 それで、まさか「SM研究部を作りたいです」なんて言えず、頭文字から適当な名前を考えた、と。

「……だから、ロリコンの俺は変人だから入部オッケー、とそういうことですか?」
「そーそー!」
 俺はしばらく考え込むふりをした。そんなことしなくても、答えはもう決まっているというのに。
 俺は腰を直角に折って言った。
「お願いします入部させてくださいっ!」
 だって、入部したらロリっぽい三年生の先輩を毎日拝める訳だろ?入部するっきゃない。
「じゃあ条件は三つね!
 まず一つ、この部活に入部したことを誰にも言わないこと!二つ目、部活以外ではできるだけ、他部員と接点がないように振る舞うこと!三つ目、変人を見つけたら勧誘してくること!
 以上三つを守れるなら入部してよし!」
「守ります!お願いします!」

 そう言うと、ぱんと手を叩いた佐渡先輩。
「よしわかった!君、名前はっ?」
「浪里 平太です」
「平太?わぁ、面白みのない名前っ!」
 ……これは傷ついていいんだろうか。
「平太、平太____そうだ、ヘタレがあった!今日からよろしくね、ヘタレ君っ!」
「……何でヘタレ君になるんですか!?」
「だって、ヘタレそうな顔してるしー?」
 ……これ、傷ついていいんだよね?ねっ?
「じゃああたしは英梨でいいよっ!その代わりヘタレ君って呼ぶから。もちろん拒否権は「ありませんよね、はい」
 英梨先輩はにこにこしながら「そうそう、飲み込み早いじゃん」と言う。

「ならヘタレ」
「もうそれ決定なんですか!?」
 ロリっぽい三年生がそう言う。
「私のことは好きに呼べ」
「……言いましたね?なら天使先輩と呼ばせてくださいお願い致します」
 そう頭を必死に下げると、「はあ?」と眉を潜めつつも、
「天使は止めろ。それくらいなら哀衣と呼べ」
 と返した哀衣先輩。まぁ、仕方ないか。

「……俺のことは「マゾ先輩、ですよね?あ、家畜先輩の方がいいですか?」
 俺は最初こそ遠慮気味だった。
 が、マゾ先輩の一つ一つの行動が気持ち悪過ぎて、遠慮がなくなった。
 マゾ先輩は恍惚とした表情を浮かべ、囁いた。
「……家畜先輩と呼んでください、お願いしますぅ……」
「嫌ですよ。家畜先輩、なんて、言ってるこっちが気分悪くなります」
 そう言われてさらに喜ぶマゾ先輩。非常に気持ち悪い。

「……あの、マゾ先輩っていつもこんなに気持ち悪いんですか?」
 そう問うと、哀衣先輩は「そうだ」と肯定した。
 すると「あぁっ……」と身悶えるマゾ先輩が見えた。本当に気持ち悪い。
 ぱっと見すごく愛想が悪くて怖いのに、なんだこのギャップは。


「……ところで、この部活って何をしに来るんですか?」
「んー、暇な時に集まって駄弁ってるだけ?」
 ……何とも中身の薄い活動内容だ。それなのに、入ってるだけで内申が上がるなんて、最高じゃないか。
 ビバ、社会問題研究部。
「あ、あたし今トランプ持ってるから何かやらないっ?もちろん罰ゲームありで」
「…………いいな」
「別にいい私は構わんが」
「俺も全然いいです」

「マゾ、罰ゲームしたくてわざと負けたら蹴るからねっ?」
「今すぐにでも蹴ってくださいお願いします」
「あ、これじゃご褒美になっちゃうわ。じゃあ、わざと負けたらお預けねっ?」
「…………っ!?」

「……何をそんなにジロジロ見ている、ヘタレ」
「あ、すみません。ロr____もとい、哀衣先輩萌え、と思って」
「……それは暗に私が幼児体型だと言っているのか」
「えっ?いやぁ、そのぉ、あはは」
「……殴っていいか」
「うっそ、すみませんすみませんっ!この通りですっ!」


 ____何はともあれ、俺の社会問題研究部での生活が始まった。