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紅架side

名前からも、物の言い方からも気が強そうとかそういう印象を持たれるのが多かった。

中学に初登校して、帰ってきて塾に行こうとする時、御父さんらしき人の背中を見つけた。

うちは御母さんが仕事で海外に行ったりしていて、御父さんと2人で過ごすのがほとんどだった。

毎日御父さんの背中に飛び付いていた。


良く笑って凄い楽しかった。


最近、私が寝る頃に御父さんと御母さんが電話で言い合っている所を見掛けた。

内容は分からなかったけど、御父さんが頭を抱えて考えていた。


私はどうしたらいいのか分からないで、とりあえずは何もせずにいた。


兄弟も居ない私は御父さんが居なくなったら1人になる。

そう考えると怖くて堪らなかった。


...まだ、入学して間も無くこんな事を相談できる相手さえ私には居なかった。

自分は全く居場所が無かったことにようやく気付いた、春だった。──

【続く】

byてるてる522