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君に捧げた初恋 (処女作) ( No.0 )
日時: 2018/06/10 23:07
名前: 華憐 (ID: zA4wGfC2)

▽プロローグ


「懐かしいな。俺、初日、ちょっと遅れてきたんだよな。」

「そうだっけ?覚えてないや」

「そうだよ。入った瞬間、みーんな座っててさ、オタクみたいな奴らばっかりで、もう終わったなって思ったよ」



結城がクスクスと笑うのにつられて、私も笑う。

そうだった。私もあの日、この教室で、同じようなことを思ったんだった。



「でも、あの日来た教室が、この教室じゃなかったら、俺たち出会ってすらなかったかもしれないんだよな」

結城が、私と繋いだ手にギュッと力を込める。



「出会えてよかった」

結城は、まっすぐ私の目を見て言う。
私の頬に、涙が伝った。


「ちゅーしていい?」

いたずらっぽく結城が笑う。いつものトーンなはずなのに、少し声が震えている気がする。


目を閉じる。2人の小さな隙間を、暖かい風が吹き抜けた。
走馬燈の様に、今までの出来事が頭の中で駆け抜ける。



4階の、1番隅の教室。
私たちは2年前、ここで出会ったんだった。


そして、私たちは今、同じ場所で
卒業の時を迎えていた。



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▽目次

*プロローグ >>00
*第1話 出会い >>01 >>02 >>03 >>04 >>05 >>08
*第2話 事件 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>16 >>17 >>18
*第3話 縮まる距離 >>19


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▽お客さま

*ことり 様