ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

　　【♯001　初めまして、同居人さん。】


昇降口には、気分が悪くなりそうな程のひと混みが出来ている。
耳を塞ぎたくなる雑音とこのひと混みに、私は今にも倒れそうだった。
それでも平静を装って、少しずつ2年のクラス表を見に入り口へと足を運ばせる。

2.3分程経って、漸くクラス表の前まで来ることが出来た。
私は目を少し細めて、細かい字のなかから〝 斐織　優衣 〟という文字を探す。
毎年毎年、このクラス表とのにらめっこは嫌いなんだ。



　「あ、あ、あ、斐織……と、」



人差し指を付き出して、Ａ組からＥ組まで目を通してゆく。
そしてやっとのことで、「2—Ｃ」ある自分の名前を見つけ出した。

先程取り巻きのなかにいた、私と同じクラスだと言っていた彼女。
彼女の通り去年も同じクラスで、確かに名前は2—Ｃにくっきりと書かれていた。
内心、また同じなのかと、毒を吐いたりもしたのだけれど。

と、そのとき、後ろから私を探すあの彼女らの姿が目に入り。
これは危険だと感じた私は、そそくさとＣ組の靴箱に足を急がせていった。