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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 同居人は多重人格。 ( No.8 )
- 日時: 2015/08/24 16:46
- 名前: 古森。 ◆3LoRZZ9olU (ID: U2xUI64X)
【♯001 初めまして、同居人さん。】
2年生の教室は、南舎の図書館がある階と同じ、3階にある。
1年のときと校舎も階も違って、まるで入学式の頃みたいだと感じる。
開いている廊下の窓。
そこから吹き込んでくる、春らしさを感じさせる柔らかな風。
その風に自分の髪を遊ばせる度、口元が少しだけ緩んでしまうのを実感した。
C組の教室の前まで来た私は、一度そこで立ち止まった。
すぅ、と息を吸い込み、はぁ、と吐き出す。
いわゆる深呼吸をして、少しだけ跳ねる自分の気持ちとこころを落ち着かせた。
——と、そのとき。
「優衣! おっはよー!」
「教室の前で立ち止まられたら、迷惑なんだけど?」
元気の良い挨拶をした女の子と、少し不機嫌そうに声をかけてきた男の子。
数少ない私の友人——鬱ノ宮 あかりと、鬱ノ宮 ひかる。
ふたりはお分かりの通り双子で、ひかるが兄、あかりが妹だ。
ふたりとも整った顔立ちをしていて、可愛らしい要素が有りすぎる。
あかりはパワフルで明るくて、とにかく見た目とぴったりなんだけれど。
ひかるは可愛らしい&かっこいい見た目なのに、毒舌&ドSという腹黒さ。
まあ……そこがツボだと言う女子が沢山いて、結構モテるんだけどね。
私はふたりに「おはよ、」と告げる。
それから少しだけ、ひかるをぎらりと睨み付けた。
いくら私が突っ立っていたからって、そこまで言う必要はないだろう? という思いを込めて。
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