コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 根暗本屋店員 1-4 ( No.14 )
- 日時: 2015/08/24 08:42
- 名前: 中の人 (ID: 6vxFia0Q)
放課後になると今まで隠されていた自分がフルに暴れだす。
だから放課後は嫌だ。
でも、
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「優希、うるさい」
でも、黙っていられる自信なんてない。
昨日…昨日…
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「マジでうるさいって」
根暗本屋店員 〜第四話 素直になれなくて〜
昨日、私、あの毬楽さんになんて言った…?
好きならいいんですかって何回言った…?
しかも毬楽さんの額まで触って…。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「わかったから、わかったから。どうしたのさ」
「……昨日、さ…」
すごく恥ずかしかったけど目の前の友人…花憐に話す。
ちなみに私が毬楽さんのこと気になってるとか言っているのは花憐だけ。
大人が気になってるとか、なんか変じゃん。
なんて言ったら花憐に変じゃないって言われたんだけど。
「なるほど…」
「うん、どうしよう」
「優希、絶対脈アリだよね」
「!?」
飲んでいたジュース(果汁100%の苦いやつ)を吹き出してしまう。
花憐は「きったね…」とかいいながらそこら辺をティッシュで拭いてたけど…え。
脈アリ…?
「もういい加減告白しちゃえば」
「別に好きじゃ…!」
「あー、はいはい。ツンデレね」
そんなんじゃないから!と怒鳴りそうになったけど、これこそツンデレだ。
でも、告白してフラれて…。
もう本屋に行けないし、毬楽さんと話せないのは…ちょっと辛い。
いや、だいぶ辛い。
「アンタ、告白怖がってちゃ、なんにもならないよ?」
「あっ、これはリア充からの有難いお告げね」とドヤ顔。ドヤ顔には少しいらついたけど、多分、花憐の言ってるのは本当。
「……」
「恋愛だけは不器用なんだね、優希は」
「うるさいなぁ…」
私はこれが初恋だったりする。
でも、毬楽さんは…?
あんなに容姿だけよかったらきっと彼女なんて沢山作ったことがあるのではないんだろうか。
寧ろ、今もいるんじゃないだろうか。
そう思ってしまえばなんだか気が重くなるような軽くなるような…。
「フラれたら慰めてあげるからさ」
音符でも語尾につきそうな感じで言われても何も有難いとは思わなかったけど、少しはやる気にはなれた。
大人に恋する……。
別に変じゃないもんね、うん。
「近々頑張る」
「報告待ってるわ〜」
手をヒラヒラさせて教室から出ていく花憐。
そっか、今から彼氏と遊びか…。
だから放課後は嫌なんだよ(リア充が)。
「はぁ…」
ため息をついて、帰りの準備をしていると急に空が曇りだし、雨が降ってきた。
「…うわぁ…」
ついてないなぁ…。
走って15分…かぁ。
「濡れながら帰ろ」
今日は本屋には寄れなさそう。