コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- ひとつまみの甘さと0.5ビター 1-2 ( No.31 )
- 日時: 2015/08/24 18:00
- 名前: 中の人 (ID: 6vxFia0Q)
「ん……」
朝の5時。
いつもより早めの目覚めだったのに気分は悪くなかった
なんでだ…っ。
ひとつまみの甘さと0.5ビター
〜第二話 メールをありがとう〜
「メール…?」
枕元に置いてあるスマートフォンが緑に光ってるのを見る。
メールは2件。
まず1件目は杏羽ちゃんからだった。
『差出人→御神楽 杏羽
宛先→城宮 雪
20xx年 xx月xx日 01:30
"アニメ化おめでとう
アニメ化おめでとう!
とりあえず、決まってからすぐ言ってくれなかったことに私はゲキオコだぞ
でも、ヒロイン任されたのは嬉しかったなぁ
ヒロイン…早紀ちゃんだったっけ?
最近、男の娘(?)しか役が回ってこなくて、ちゃんとした女子役は久々なのですドヤッ
雪ちゃんのイメージにピッタリになるように頑張るね!
また今度一緒にお出かけしようね
シナリオ頑張れ(´∇`)"』
彼女らしい反応には素直に嬉しい。
杏羽ちゃんとは小学校から高校まで一緒で、よく仲の良かった橋谷君と3人で遊んだりした記憶がある。
そしてもう1件目は…
「えっ…?」
監督さんだった。
『差出人→鶴橋 蓮斗
宛先→城宮 雪
20xx年 xx月xx日 02:59
"届いていますか?
今日、御一緒させてもらった鶴橋です。
名刺に連絡先が載っていたからメールさせてもらったけど、届いてる?
改めて、一つのアニメって作品作っていく上で雪さんは必要不可欠だからよろしくね。
次の打ち合わせだけど、明後日の同じ時間は空いてるかな?
都合がよかったら折り返してください。
深夜帯にごめん(笑)
おやすみなさい"』
明後日の同じ時間…明後日の同じ時間…。
予定表をカバンから抜き出して見る。
「かぶってる…」
この日は杏羽ちゃんとお出かけの約束してたんだった…。
どうしよう…。
明日じゃー…難しいかなぁ…。
『宛先→鶴橋 蓮斗
"届いています
おはようございます、城宮です
メール届いています、大丈夫です
明後日は若干厳しかったりします、すみません
明日はいかがでしょう?
監督さんもお忙しいと思うのですが…申し訳ありません
明後日しか空いてないのであれば、私も予定は合わせられるので、無理は大丈夫です
よろしくお願いします"』
杏羽ちゃんみたいに顔文字を使って可愛くしようかと思ったけどやめた。
失礼な気もしたし、顔文字は似合わなさそうだから。
ちょっとだけ素っ気ないメールになったかなぁ…敬語おかしくなかったかなぁ…と思いながら送信して4分後。
「はやい…」
すぐに返信が来た。
『差出人→鶴橋 蓮斗
宛先→城宮 雪
20xx年 xx月xx日 05:15
"大丈夫です
おはよう。
丁度ケータイ触ってた時だったからびっくりした(笑)
運良く明日、空いていたから、明日で大丈夫。
内容としてはプロットの細かいとこを決めていこうか。
ここだけは外したくないってところがあれば、事前にまとめててね。
わざわざメールありがとう。
明日、待ってます。"』
最後の2文に惹かれた。
男性がこんな律儀だとは思わなかったから。
いい監督さんでよかったなぁと改めて思いながら、恋愛ゲームを再度見返すことにした。
…外したくないシーン…かぁ…。
正直言っちゃうと全部なんだけど、それじゃあお話が始まらないからできるだけ絞ってみた。
そして絞ったのを見返してみると…
「抱きしめシーンだらけ…」
自分でも眉を潜めるほど、同じシーンばっかり。
恋愛経験ないからよくわからないけど、こういうのを欲求不満…?とか言うのかな。
流石にこのまんまじゃ更に失礼だから減らしたり足したりしながら…。
気づいたら12時を回っていた。
鳴ったお腹に朝ごはんを食べていないことに気づいてキッチンへたった。
結局、午前中だけじゃまとまらなくて、午後まで費やしたのは言うまでもない。