コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

1週間だけ高校生 1-1 ( No.41 )
日時: 2015/08/27 22:49
名前: 中の人 (ID: bobjbGZP)

「今日は転入生がいる。じゃあ、毬楽、入れ」
「……か、毬楽 湊です。お願いします」

何故か学校に彼氏がやってきました。


1週間だけ高校生 〜第一日 リターン的な何かを〜


「ねぇ、優希」
「うん」
「アレ、アンタの彼氏と同じ名前じゃない?」
「うん」

だって、彼氏なんだもん。
毬楽 湊。
私の通学路にある小さな本屋さんの店員。
もやしみたいな性格だと思っていたのに、晴れて付き合い始めたら物凄く積極的。そしてド天然タラシ。
年齢が23のギャルゲー好き。

そんな彼がなんでこんなとこにいるのか。
先生からの紹介も終わって、チラッと毬楽さんを見てみると、周りに女子だらけ。
なんか妬く。
けど、やっぱりなんで高校生してんのかがわけわからなかった。

「ねぇ、佐治さん」
「!?」

いつの間にか隣に来ていた毬楽さんに腕をつかまれる。
…嫌な予感しかしないんだけど。

「ちょっと、校内探検しよう」

案の定、連れ去られた。
めちゃめちゃいろんな人の視線が痛かったんだけど。

廊下を腕をつかまれたまんま歩く。
やだやだ、ほんと、いろんな人に見られてるんだけど。
精神的に辛いんだけど。

「ねぇ、毬楽さん」
「……」
「ねぇ!」

いつもなら怯えながら「はい」とか言うくせ…。
今日はなんで無言なんだろ…?
怒らせたかな、なんかやったかな。
そうこうしているうちに、とある空き教室に入る。
あれ、なんでここが空き教室って知ってるのかな。

「ねぇ」

急に腕を離され、そのまんま壁まで追いやられる。
カッと赤くなりながらも毬楽さんに期待してる私がいるのは明白だ。
彼がグッと吐息もかかるくらいの近さに顔を近づけてくる。
思わず視線を逸らし、何を言われるかと思い思いの矢先…

「なんで、僕、高校生になってるんだろう!?」
「私が聞きたいわ!ヲタメガネ!」

つい蹴っちゃったけど、仕方ないよね。