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ひとつまみの甘さと0.5ビター 1-5 ( No.42 )
日時: 2015/08/29 11:03
名前: 中の人 (ID: blFCHlg4)

「雪ちゃん、それ、恋だよ!」
「へっ…?」

ひとつまみの甘さと0.5ビター
〜第五話 女子会〜

「確かに鶴橋監督、素敵だから雪ちゃんが惚れるのわかるなぁ…」
「ちっ、違うから!」

よくわからなくてモヤモヤしたまんま終わった昨日と一転、今日は杏羽ちゃんと女子会。
朝は雑貨屋さんを回って、今はお昼。
お洒落そうなお店で食事。
アニメの話をしながら監督さんの話になって、昨日こうだったって言ったら恋…?

「雪ちゃん、初恋だね!」
「だから違うってぇぇ…」

杏羽ちゃんが応援する!と言いたげな目でこっちを見てくる。
でも、もし、もしも恋なら…。
アニメが放送されてる時だけのお付き合いなんて…なんかやだ…。

「じゃあ、例えば、このアニメが打ち切りになって、明日から鶴橋監督には会えなくなりました!どう…?」
「どうって?」
「会いたいとか寂しいとか思わない?」

アニメが打ち切りになる…。
ひとまずそれ自体が悲しくて仕方がない。
更に監督さんともしかしたら2度と会えないのは、寂しい。
どこかで会いたいって思う私がいるかもしれない。
黙って杏羽ちゃんに頷くとやっぱり!って表情をされる。

「恋…かぁ…」

認めれば恥ずかしい半分、嬉しい半分。
そして、叶うかなってマイナスの気持ちが0.5くらい。

「大丈夫!私が応援する!」
「杏羽ちゃんじゃ心配だなぁ…」
「酷いよ、雪ちゃん…」

杏羽ちゃんじゃ心配だと思ったのは心の奥底からだけど、頼りにはなるかなとは思った。
心配だけどね?
杏羽ちゃんは可愛いし、性格もいいし、それに比べて私なんて…。

「冗談だよ〜」

本当は心配だけど。

「とりあえず、初恋と決まったらまずは身なりを整えないとね!」

立ち上がる杏羽ちゃん。
…嫌な予感…。

「お昼からは買い物いそがしいよ!」
「…はい」

私より杏羽ちゃんが張り切ってたから、肯定するしかなかった。
でも、これでもし、監督さんが…なんて思えば重荷にはならないけどね。