コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- ひとつまみの甘さと0.5ビター 1-5.5 ( No.45 )
- 日時: 2015/09/07 23:41
- 名前: 中の人 (ID: bobjbGZP)
ひとつまみの甘さと0.5ビター
〜第5.5話 だって〜
だってさ、恋愛なんて面倒。
人を好きになるには時間もかかるし経済的にお金も必要になる。
そこまでして大切にしたい人っている?
でもね、1回だけ本気になったことがある。
散ったけど。
でも今も彼の名前を耳にしたりテレビで見たりすると会いたくなってしまう。
ーーーーーーー鶴橋 蓮斗。
救いようのないド天然馬鹿で、運動神経がいい。
ムードメーカーみたいな存在で人気者。
さらにはモテる。
彼との出会いは必然的だった。
私の親が亡くなって、丁度親同士が仲の良かったから鶴橋家に引き取られた。
私が15の時。
初めは親同士が仲の良かったっていっても子供には関わりのなかったから不安。
だけど、彼の性格ですぐ馴染めた。
辛いことも嬉しかったことも全部全部彼が聞いてくれた。
そんな彼をいつの間にか好きになってたみたいね。
兄妹みたいな関係だったのに。
勿論、散っただなんて言ったけど、告白なんてしてない。
仮にでも兄妹が恋愛なんて恥ずかしいでしょ?
だから諦めたの。
これが私の初めてで最後の恋。
大人になって離れて、今は私には旦那がいるわ。
私の仕事は新聞記者。
最も嫌いな人は旦那。
殺したいくらいに、ね?
鶴橋家を出て、上京した私はなりたかった新聞記者になった。
そこで出会ったのが旦那。
出会いはそこそこで周りから見たら順調だったはずよ。
でも、まぁ、私さえ、彼の束縛の強さには気づかなかったけど。
別に元々愛してるって感じじゃなかった私は。
蓮斗への恋で諦めたから。
だからといって将来的に未婚なのもなぁって思い思いプロポーズされたから結婚した。
そしたら、まぁ、なに。
死にそうなくらいの束縛の日々。
お陰で痛みはなくなったわ。
もし、蓮斗が今、結婚しているなら羨ましくて仕方ない。
それに比べて私は…ダメね。
ビターチョコの甘さをとって苦味だけ残ったみたい。
だから恋愛は嫌なの。
だって、私だけ不幸になるなんて可哀想でしょ?