コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- ひとつまみの甘さと0.5ビター 1-7 ( No.53 )
- 日時: 2015/11/08 08:20
- 名前: 中の人 (ID: N2./lBnZ)
ひとつまみの甘さと0.5ビター
〜第7話 気まぐれディナー〜
「それで言うわけよ、"好きかな"ってさぁ。何気ないように言うくせに本人真っ赤」
「可愛らしい男性なんですね」
「いやいや?いっつもゲームばっかしてる奴だよ?」
「ゲーマーって所も可愛らしいです」
「どこがだよ」
2人で飲食店に入り、最初は仕事のことを話していたのに監督さんにお酒が入って、今度は監督さんの愚痴話や友人関係の話になった。
よく名前が出てくるのは湊っていう監督さんの同級生の人とその先輩の愛雅っていう人。
二人共、監督さんの話を聞く限りとても面白くて優しそうな人だ。
「今度、湊と愛雅先輩紹介したいな」
「是非」
笑いながら答える。
監督さんがオススメするならきっといい人なんだろうなぁ。
また楽しみが増える。
「いらっしゃいませー」
ドアにかかっているベル。
…と共にガタンと椅子を引いて立ち上がる監督さん。
そういや、前もこんなことあったっけ?
「湊!愛雅先輩!」
みなと...あいが...ってさっきの監督さんが話していた仲のいい人!
噂をすればってやつかな...?
立ち上がった監督さんと同じように視線を二人に向ける。
人を容姿で判断してはいけないっていうけど確かに二人ともスーツを着こなしていて雰囲気良さそう。
「あ、蓮斗君...とー...」
メガネをかけている方が監督さんと私に気づく。
軽く会釈をして未だに立っている監督さんに「座らないんですか?」と小声で促す。
やっぱり少しやんちゃなのかな...?
いつもは見られない子供っぽいところを最近はよく見ているような気がする。
でもそれも新しい監督さんが見れているようで嬉しかったり...うーん。
「よう、蓮斗」
監督さんのお友達が話をつけたのか、4人テーブルに二人で座っていたから監督さんと私のいる席に向かってくる二人。
監督さんのお友達なら是非仲良くしたいところだ。
「こんばんは〜」
やっぱり仲がいいのか、挨拶もちょっと崩れてる。
「おう、隣は?」
「この前話した仕事で一緒のシナリオライターの雪ちゃん」
監督さんの隣には座ってないけど紹介されたから「城宮です」と会釈をする。
そういやこの前話したって...?
何かお仕事のお話でもしたのかな...?
「俺は桜木愛雅、日本史の高校教師やってる。で、そっちのメガネは」
「メガネではないですけど、毬楽湊です。IT企業で働いています」
息ぴったりの自己紹介に感心する。
それにしても教師にIT企業...よほど頭がいいんだろうなぁ...。
監督さんが監督さんなだけに...凄い。
「二人とも座れば?」
水の入ってるコップをカタンと置いて座るように促す監督さん。
ずっと立っているのは迷惑かもしれない。
「そうだね、じゃあ、僕は蓮斗君の隣」
「え、お前、大きいからこっち狭い」
「酷いなぁ...」
確かに酷い。
「だって蓮斗、俺が隣も嫌だろ?」
「なんだか威圧があります」
「おいこら」
威圧...。
教師だからかな?
そう言われたら一番言葉が乱雑で厳しい(?)感じの桜木さんから威圧がかかってる気がしてくる。
「ったく、わがままだな...」
渋々と言った感じで監督さんを椅子から引っ張りだし、私の隣に座らせる。
...私の隣!?