コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- ひとつまみの甘さと0.5ビター 1-8 ( No.57 )
- 日時: 2015/12/02 22:03
- 名前: 中の人 (ID: 5kOzRZ6l)
「んーで、アイツ俺に向かっておっさんとか言ってくるわけよ。可愛げなくて」
「なんで、琴葉ちゃん可愛いじゃないっすか」
「何処がだよ!?」
ひとつまみの甘さと0.5ビター
〜第八話 呼ばれ呼び方〜
湊さんと愛雅先輩(監督さんが言ってたから移った)の自己紹介を聞いて、自己紹介を返す。
ちなみに湊さんは雪さん、愛雅先輩は城宮と私のことを呼んでくれる。
「雪さんは妹さんとかいる...?」
家族の話で盛り上がっていた中、湊さんが話を振ってくれる。
ずっと思っていたけど湊さんはかなりの聞き上手なのかもしれない。
監督さんは話し上手、愛雅先輩も話し上手だけどツッコミが厳しい。
3人が3人、多様だ。
「一人っ子なんで、兄妹が羨ましいですよ、ほんと...」
「妹なんて五月蝿いだけだろ...」
酔ってるのか嫌いなのか、さっきから妹さんの愚痴ばっかの愛雅先輩。
羨ましいけどなぁ。
「大丈夫、愛雅先輩はああ見えて、妹溺愛だから」
こそっと隣にいる監督さんが耳打ちしてくれる。
「でもお母さん、琴葉ちゃん気に入ってるでし「そのあだ名で呼ぶなクソ根暗メガネヲタが!」酷い!」
お母さん...?と頭にクエスチョンマークを浮かべていると再度監督さんが「湊はね、愛雅先輩のことお母さん、俺のことお父さんって高校生から呼ぶんだよ」と耳打ち。
家族で例えられて、すごく仲が良さそうなのを再確認したら少しだけ羨ましくなった。
...にしてもクソ根暗メガネヲタって...湊さん可哀想...。
「僕、最近ゲームしてないですからね!?」
湊さん、ゲームやるんだ。
どんなゲームするんだろう、私もゲーム好きだからなぁ。
「仕事に追われてて出来ないんだろうがよ!」
「やってないのとは同じです!ヲタじゃないから!」
「じゃあたまにヲタだな、ギャルゲーばっかの癖に!」
あっ、ギャルゲー...。
「ちょっと、愛雅さんのせいで雪さんにめちゃめちゃ引かれたじゃないですか!」
「事実だ!」
あまりにも騒いでいるせいか、周りの目線が気になり始める。
だからといって、私が止めるのはちょっと厚かましいかな…。
どうすれば…と目線を監督さんに移した時、バシャア!といい音を立てながら水の音が聞こえた。
目の前で。
「っ、めてぇ!」
「僕関係なくないですか!?」
騒いでいた2人に水をかけたのは若めの店員らしき人。
ものすごく怒っているのがオーラから汲み取れる。
それより、いくらお店の人だからって水をお客さんにかけて大丈夫なのかな。
「お前ら、ウチの店で騒ぐんじゃねぇよ!」
思わずネームプレートを見ると店長・鶴橋の文字。
店長だったら納得……
「鶴橋…!?」
もしかしたら監督さんのご兄弟だろうか。
「違う違う、苗字は一緒だけどこんな怖い人が兄とか笑えないから」
「お前にもかけてやろうか…?」
聞いてもいないのに気遣いでそう言ってくれる。
成程と相槌を打とうとするとコップを構える店長さんに冗談ですから!と慌てる監督さんが目に入った。
よくよく見てみるとあまり似ていない。
どっちかといえば愛雅先輩に似ている。
「ったく、お前らは毎回なんだから…」
と店長さんが迷惑そうに仕事に戻る。
毎回なんだ…。
そりゃ、迷惑だと思うよ、愛雅先輩に湊さん…。