コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

ひとつまみの甘さと0.5ビター 1-9.5 ( No.61 )
日時: 2015/12/26 18:51
名前: 中の人 (ID: 2L0KYv7x)

ひとつまみの甘さと0.5ビター
〜第9.5話 只今青春中〜

「...アイツ可愛かったな」
「ですよね、めちゃめちゃ焦ってましたよ」

何かしたのかと愛雅さんに睨まれる。

雪ちゃんが先にお上がりするってことで送りに行った蓮斗。
愛雅さんと2人残り、時間も時間で人が少なくなってきたのか、鶴橋店長も含めて約2時間くらい無駄話(いい歳しながら恋愛話なんてたかが知れてるだろうけど)をしたり、飲食店の片付けを手伝った。
飲食店は10時には閉まっているのに結局12時くらいまで居てしまった。
そしてやっとお開きになり、酔っ払いが2人、道を歩いている。

「別に何もしてませんよ」

鶴橋店長に水をかけられた時に一旦は酔いが冷めたものの、あれから更に飲み、再度酔ったからか、呂律が悪くまた愛雅さんに睨まれる。

「...まぁ、アイツもやっと青春か」

蓮斗君は小さい時から持ち前の明るさとトーク力、運動能力ですごくモテていた(勉強はどうだったかなんて聞くのは反則だからね?)。
なのに彼女がいたことは一度もなかった。
流石に彼女を一度も作らないのはまさかあっち系なのか...と思いながら言ってみたらパンチと共に全否定された。
その時、心から安心したのは秘密だ。

「雪ちゃんいい人でしたもんね〜」
「お前の嫁に告げとくぞ」
「やめて!?」

というかまだ結婚してないし!と慌てる。
僕の彼女は拗ねると面倒臭い。
まぁ、それも可愛いんだけど...。

「それより愛雅さん朝帰りで大丈夫なんですか?」

僕の彼女は僕が朝帰りでも女の子を襲う度胸はないって思われてるからどうせまた飲んでるって解釈してくれるんだけど...(まぁ、彼女以外を襲うつもりは全くないんだけど)。

「あ、今、あいつ実家行ってるから」

そういう問題!?とツッコミかける。

「つか湊、俺らの関係どう考えてんだよ...」

まぁ、確かにそう言われたらそうかもしれない。
愛雅さんだからかなりの信頼関係を築いてるんだろうなぁ。

「まぁ、僕達の信頼関係には負けますよね」
「何言ってんだ、気持ち悪ぃ」

割と強めに叩かれる。
12時も回ってるのに明日は何もなかったように仕事に行けるから不思議だ。

「じゃ、また明日な」
「おやすみ、愛雅さん」

マンションの1階、玄関のドアを開いて中に入っていった愛雅さんを確認してから僕は更に階段をのぼる。
5階建てマンションの5階だなんて運が悪すぎる。
階段辛いよ...。

「ただいま」

そう言いながら入っていくとまだ起きていたのか「おかえりー!」と元気そうな声が聞こえる。
早く蓮斗君たちもこうなればいいのにな。