コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 貴方に添い寝屋売ります 1-3 ( No.65 )
- 日時: 2016/02/11 11:52
- 名前: 中の人 (ID: zXVWjPsV)
貴方に添い寝屋売ります 第三話
〜彼の黒い部分〜
なんとか倉篠さんを引き離し、かなりの距離を取ることに成功した私。
チラッと倉篠さんを見るとニコニコしている。
怖い...!
「あ、あ、あ、あの!」
「なんでしょう?」
ニコッとしたまんま首を傾げる彼。
あざといな...あざとい...人気アニメの末弟と同じくらいのレベルであざといぞ...。
「帰ってください」
膝まついてそのまんま土下座する。
可憐な土下座...私の土下座満点だぞ...。
「え」
「帰ってください」
こんな添い寝屋私呼んだつもりない。
もっと心臓に悪くなくて、優しい、もう神のような添い寝屋がよかった。
やっぱ音架に相談した私が馬鹿だったんだ!
いや、元々馬鹿だけどさ...。
「いや...そう言われましても...」
「帰ってください!!!」
お互いに引かない。
瑞穂、心無瑞穂、心無瑞穂よ!
ここで負けたら明日はないぞ...耐えるんだ!
「困りますよ...」
「私も困る!お願いだから!」
「......チッ」
「あれ!?今、舌打ちした!?したよね!?」
彼の黒い部分を見てしまった気がする。
悪い事をしてしまった。
「すみません、さっきの舌打ちは忘れますから帰ってくださ「うっさい、黙って?」」
オクターブ下で唸るように言われたら黙るを得ない。
やばいな、なんかスイッチ入っちゃったかな。
めんどくさかったりしないかな。
「っていうか何、ルンバ抱き抱えてるオンナとか見たことなかったんだけど」
オカシイの前に汚すぎと嘲笑われる。
くそう!!
引っ張ってくるな、古傷掘り返すな!!
「どうせ、慌てて片付けでもやったんでしょ」
そう言いながらマイホームをキョロキョロとした後、1点へ歩いていく。
待って、そこはダメだ!
「ここかなっ......チッ」
私がそこらのものを封印した押し入れを開ける...と勿論無造作に入れたものだから中身が雪崩のように彼に降りかかる。
あーあ。
私、知らないよ?
私、その押し入れ開けてないからね?
勝手に開けておいて舌打ちしたからね?傷つくよ?
「マジこの女有り得ねぇ...」
「は、そこ開けたの私じゃないし、勝手にキレないでくれすみませんでした」
この人目力半端ないんだけど!?
心無さんのハートを射抜いてくるんだけど!?
あっ、ラブじゃなくって。
「とりあえず明日ここ片付けてくれない?」
「カタヅケマス」
「あとそのルンバ抱きしめるのやめてくれない?」
「ワカリマシタ」
「じゃあ寝ようか」
「ハイ......あれ」
私、今、ハイって言っちゃった?
このあざと鬼(仮)と寝るって言っちゃった?
ごめんよ、全国のココナシファン!
私は明日死ぬからお葬式は適当に上げてくれ!
「へぇ、やっぱ僕と寝たいんだ」
「いやぁあぁあぁあぁあぁぁぁぁぁ」
音架恨むぞ、馬鹿!