コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 貴方に添い寝屋売ります 1-5 ( No.71 )
- 日時: 2016/06/04 01:39
- 名前: 中の人 (ID: Btri0/Fl)
「ふわぁぁ...」
精一杯背伸びをして、ベッドから降り「...い"っ」...ん?
生身の"何か"を踏んだ気がする。
パニック状態のまんま、聞こえた声。
「...ふざけんな、重い」
「!?」
目を覚ませ、私。
貴方に添い寝屋売ります 〜 第5話 1日目 〜
「あのさぁ、馬鹿なの?」
馬鹿でいいから、正座やめさせて。
足が、足が死にそう。助けて。
痺れて足が飛びそう、違う、折れそう...?
まぁ、とにかく、正座ヤバい、本当に。
「まぁ、いいや」
「いいの!?」
「なに、僕にそんなに説教されたいの?」
「そんな!気持ちわる...痛い痛い痛い!」
足を踏まれてそこらをのたうち回る。
十分すぎる説教じゃありませんかね、倉篠さん。
もしくは拷問という名の犯罪じゃありませんかねぇ。
警察官でも呼んだ方がいい感じじゃないかな。
今の時代、ワンコールで出る人もいるよ?
「あ、そういや」
胸の前で腕をクロスさせて"近寄るな、あわよくば帰れ"サインをする。
倉篠さんが喋ったからついそうなっちゃったとか、そんなのじゃないんだからね。
「御飯、作ってあるから」
「...は?」
何言ってるの、この人。
私の冷蔵庫には屑のような野菜と卵と消費期限近かったか過ぎている肉がちょっとしか入ってないのに。
料理なんて到底出来るもんじゃないし、そもそもやらないし。
あっ、女子力ないとか言ったヤツ、表でろよ。
「だから作ったって言ってるじゃん」
大体、何時だと思ってるの?と腰に手を当ててまた説教を始めようとする彼。
ほんと、大丈夫だから。私、説教とか望んでないから。
必死に首を振りながら目に入ったのは10時を指す時計。
...まじか。
「ちなみに倉篠さんは何時に起きて...?」
「6時」
わぁ。
私でも怒りたくなるよ、そりゃ。
「...ごめん」
「は、何謝ってんの、きしょい」
前言撤回。
私を罵倒したいだけなんじゃないの...?
しかも、謝ってワンテンポも置かずにすぐきしょいって言われたんだけど!!
どれだけ毒舌!?
「とりあえず、御飯だから早く」
「えっ、いや」
「お腹空いた」
「...私も空いたわ」
心の広い私は彼のペースに飲まれてあげようじゃあないか。
それにしても昨日と言い、今日と言い、意外と年下っぽい可愛いところもあるんだな。
稀にしか見れないけど。
「あーあ、どんなのか楽しみ」
「もう少しキッチン整理したら?」
「えっ、一番綺麗なところがキッチンなんだけど...」
うわぁと嫌そうな顔をされる。
文句あるなら片付けてもらうもんね。