コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: オカンな私とゲーマーな彼。 ( No.1 )
- 日時: 2015/08/29 13:51
- 名前: あまま (ID: Jro3iv1q)
「北海、お前風間と知り合いだろう。プリント持って行ってくれないか?家知らないんなら教えるが。」
担任の先生から頼まれたときは、風間くんって誰だろう、と思った。
入学以来、なるべく同じ学年の人は覚えるようにしてるから、一人一回は名前を聞いたことがあるはずだ。それなのに知らないということは二年生、三年生となるが、生憎小学校5年のときに転校してきた私は年上のひとはあまり知らない。
故に、首を傾げていたのだが。
___ピンポーン。
緊張していてぴん、と張っていた背筋は、がちゃり、と開いたドアの隙間から見えたよく知った顔に、絆された。
「うっわ、風間くん!?久しぶり!」
家から出てきたのは小学校時代の同級生の風間光だった。
童顔で背は低めだけど、めちゃくちゃ美少年だ。
風間くんは私の姿を見ると露骨に嫌そうな顔をし、そのまま扉を閉めようとする。
「ちょっと、風間くん!?なんなのその「うるせーババアが来たなあ」みたいな顔!やめて!」
まあ、風間くんが私をみて嫌そうな顔をするのもわかる。
風間くんは小学校時代から不登校気味で、認めるのは嫌だけど、オカン気質の私はほっとけなくて、度々家を訪ねていたのだ。だからか、家に見覚えがあるのも。というか、同じ中学だったんだ。
「…何?てか、中学になってもオカンだね、あんた。家訪ねてくるとか。」
「お、オカンじゃないし!先生に頼まれただけだし!」
二人で言い争っていると、おっとりとした声で「どうしたの〜?」と風間くんのお母さんが来る。
「あら〜!日向ちゃんじゃない〜、プリント届けに来てくれたの〜?とりあえずあがって〜?」
ほわほわとした雰囲気の風間くんのお母さんに風間くん、めちゃくちゃ嫌そうな顔をしている。よくとんでもない爆弾落とすんだよね、この人。天然だし。
「あ、いいですよ。プリント届けに来ただけですし。」
笑顔で断るが、「まあまあ、そういわずに〜」、というお母さんペースに乗せられて、おじゃますることになりました。私、一応女なんですけどねえ…。
- Re: オカンな私とゲーマーな彼。 ( No.2 )
- 日時: 2015/08/29 14:46
- 名前: あまま (ID: Jro3iv1q)
「じゃあ、仲良くね〜」
風間くんの部屋に二人分のお茶とお菓子を置くと、風間くんのお母さんは出て行った。
……息子の部屋に女の子を二人きりで置いていく?いや、天然だからな。
「さて、風間くん。不登校になった原因を聞きましょうか。」
「何で話さないといけないわけ?」
笑顔で言うと、風間くんが面倒くさそうに、ふいっ、と目をそらした。
「小学校時代からの付き合いだから心配だし、お母様にも託されたので。」
「そこらへんほんっとオカンだよなー。」
呆れたように呟く風間くんの言葉にグサッ、とくる。うう、まだぴちぴちの13歳ですよっ…。
間違ってもうちの家のオカンみたいのじゃないですよ…。
「まあ、端的に言うと面倒くさいのと女子がうるさいからだな。」
ふむ。確かに風間くんイケメンだから女子に騒がれるしな。面倒くさいのはダメだけど。
………よし。
「風間くん、明日から迎えにくるから。面倒くさくても引き摺ってでも学校に連れてく。女子はしょうがないでしょ。それに、うちの学校イケメン多いから風間くんへはそこまでいかないんじゃない?」
そういうと、風間くんは眠そうな隈のある目を見開いた。
「いいのか?というかお前女子だろ?変な噂たてられるぞ?俺の家学校から遠いし。」
「あー、そこら辺は大丈夫。私既にオカンキャラになってるし。多分オカンの息子が増えたぞ位しかなんないと思うな。」
風間くんの質問に若干遠い目をしながら答えると、私は立ち上がった。
「んじゃ、そういうことでいい?ってか、もうこんな時間じゃん。家かえるわ。」
「あ、ああ。何から何まですまん。…やっぱお前オカンだな。」
「最後の一言は余計でしょ。じゃ、ばいばーい。」
かくして私は風間くんの面倒を見ることになったのでした。まる。