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Re:    星空の下で、    ( No.2 )
日時: 2015/08/30 23:13
名前: 古森。 ◆3LoRZZ9olU (ID: ak9ikTR3)




  【第1章 運命の出逢い】


 お母さんとお父さんが言っていたように、必ずしも〝運命の人〟は現れるのだろうか。
 生まれたときからその人と結ばれると決められ、導かれるようにして出逢うのだろうか。

 1年前の、冬。突然の交通事故で両親を亡くしてから、私は毎日この事ばかり考えていた。
 お母さんとお父さんが、口癖のように言っていた〝運命の人〟という、言葉の意味を。

 そんなの馬鹿馬鹿しい、そんな人がいるわけない、だなんて、大半の人は思う事だろう。
 実際、私も最初はそう思っていた。
 けれどあの交通事故で両親が他界してから、何故かそれが本当の事に思えてきて——



「……いつになったら、出逢えるの?」



 星空の下で、そう呟くのが日課となっていた。
 誰ひとりいない、淋しいこの家で。誰ひとり寄り添ってくれない、淋しい心で。

 私は毎晩毎晩、そう呟いていたんだ。