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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 星空の下で、 ( No.5 )
- 日時: 2015/08/31 14:23
- 名前: 古森。 ◆3LoRZZ9olU (ID: ak9ikTR3)
【第1章 運命の出逢い】
2月24日22時36分。私の誕生日の、前日。
私の誕生日は、この無駄に大きい家に幼馴染みである茉莉と椿を呼んでいる。
別に自ら言い出したわけじゃない。小学生の頃からの恒例行事みたいなものだ。
飾り付けとか、面倒な事はしない。
ご飯食べて、ケーキ食べて、笑って、遊んで、って普通に過ごしている。
今年も茉莉と椿が祝ってくれるし、誕生日は私の唯一の楽しみだった。
「……あと、1時間24分」
この時間が経てば、16歳になる。
つまり——15歳でいられる時間は、残りあと1時間24分だということ。
また今年も出逢えなかったなと、溜め息を漏らす。
広々とした自分の部屋の窓ガラスに右手を当て、無数の宝石が散りばめられた空を見上げた。
〝夜〟というこの時間は、私がいちばん、私でいられる時間なのかもしれない。なんて、少し思う。
時計の短針が、カチッと音をたてた。
少しずつ、少しずつ。私という存在は、16歳へと近付いている。
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