コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 星空の下で、 ( No.6 )
- 日時: 2015/08/31 18:09
- 名前: 古森。 ◆3LoRZZ9olU (ID: b/ePXT6o)
【第1章 運命の出逢い】
知らぬ間に眠っていた私は、太陽の光に目を覚ました。
眩しい光が私に集中していて、思わず額に手を当て光を遮り、目を細める。
朝が弱い私にとって、太陽の光や暑い日差しは最も苦手とするものなのである。
大きな欠伸をひとつし立ち上がって、んー、と身体を伸ばした。
少し乱れた長い髪を撫でて、肩からずり落ちたパステルカラーのモコモコパーカをきちんと直す。
ベッドの棚に置いたデジタル時計を覗くと、時刻は7時50分を示していた。
(ちょっと寝過ぎたか……)
そう思い、頭に手を置く。
今からシャワーを浴びて身嗜みを整えようと、下の階に向かおうと足を扉の方へ向ける。
……と、丁度そのときだった。
家に、玄関のベルの音が鳴り響いた。
こんな朝から一体誰なんだと、眉間にシワを寄せてドアノブを捻る。
木製の甘栗色をした階段に音を響かせ、少しだけ急ぎ足で玄関へと向かった。
鍵を開け、扉を引いた、その瞬間だった。
パァンと煩く音が鳴り、私は後ろに倒れそうになる。
そんな私の腕を、細くて骨ばった手が強引に、でも力を少し緩めて掴んだ。
「おはよ、瞳。大丈夫?」
「やだ、その格好。もしかして今お目覚め?」
少しぼやけた視界に、ふたりの女子と男子が現れる。
ぱちぱちと瞬きを繰り返すと、やがてその視界もはっきりとしてきて。
正確に私の瞳(め)に映ったそのふたりは、茉莉と椿だということが分かった。
ふたりともニヤリと笑っていて、片手にはカラフルなクラッカーが握られている。さっきの音はクラッカーだったのだと、今漸く気付いた。
私は後ろに倒れそうになっている体制を直し、軽く「ありがとう」と椿に告げる。
でもその直後、ギラリとふたりを睨み付けて仁王立ちしながら怒鳴るように言った。
「ちょっと、一体何なの」
「え、何なのって……忘れてるの?」
怒る私を、嘘でしょ、とでも言うかのような表情で茉莉と椿が見てくる。
少し怒っていたが、小首を傾げて考えてみる。と、直ぐに思い出した。
今日は、私の————
「16歳おめでとう! 瞳!」
16歳の、誕生日だった。