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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 星空の下で、 ( No.7 )
- 日時: 2015/08/31 23:55
- 名前: 古森。 ◆3LoRZZ9olU (ID: b/ePXT6o)
【第1章 運命の出逢い】
朝からよく耳に響く、良い声で。
茉莉と椿はにこりと笑顔を崩さないまま、軽く抱き付くようにして私の傍に駆け寄ってきた。
まあ……流石に椿が抱き付いてくるのは駄目だろうと、軽く後退りしたけれど。
抱き付いてきた茉莉からは、昔と変わらぬ花の香りがした。
抱き付いてきた椿からは、昔と変わらぬ石鹸の香りがした。
思わず私の口元も、緩んで。気が付けば、ふたりと一緒に口角を上げ微笑む自分がいた。
「今年もまた、夜更かしして遊ぼ!」
「先に寝たやつが罰ゲームだかんな?」
ふたりは笑って、私に言ってくる。
因みにこのふたり、両想いなのに素直にならない面倒な人達だ。
世に言う、リアルに充実している——つまり〝リア充〟組となるのだろう。
私はふっと笑みを溢した。
笑い合ってるふたりが、凄く大好きで。ふざけ合ってるふたりが、凄く大切で。
気付けば私は茉莉の右手を、椿の左手を掴んで家のなかへと招き入れていた。
「……ありがとね。ふたりとも」
「え? なんか言ったよね?」
「瞳、もっかい言って。何て言った?」
私の言葉に気付いていない、ふたりには。
この気持ちを胸の奥にしまい込んで、秘密にしておくことにしよう。
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