コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 勇者様は今日も外道です。 ( No.9 )
- 日時: 2015/10/14 11:22
- 名前: Kudodai ◆pc86zgVlF2 (ID: L7cyWjuc)
- 参照: 圧倒的文才やべェ
第1章 第3話
私は、ヴァンとお話をして開会式が始まるのを待っていると、この国の兵士さんから声をかけられました。
「レシェス・セイリス・マリン殿、ヴァン・クロニカ殿。開会式が始まりますので勇者一行に選ばれたお二方はこちらへ」
そう言われて私達は、兵士さんに連れられて城の中へと入っていきました。
中は想像していたよりも広く大きく、私は目を丸くしました。
「マリン、こっちみたいですよ」
ヴァンが指す方向には、勇者一行待機室と書かれた部屋がありました。
ここに、これから共に旅に出る仲間の皆さんがいるのか……
そう思うと胸がワクワクして、早くその扉を開けたくなりました。
「それでは、お二方。この部屋でしばらくお待ちください」
兵士さんはそう言って私達に一礼すると足早に城を出て行きました。
「それでは行きましょうか」
そう言ってヴァンは待機室の扉を開けました。
私も続いて部屋に入ります。
すると、そこにはもう後の2人がいました。
「あぁ、アンタ達が後の2人か? 嬢ちゃんと、モヤシじゃねえか……、国王も見る目ねェな」
私達を見て早々皮肉を言う金髪の男の人に私はムッとして、抗議しようとしました。
しかし、それよりも先にもう1人の女の人が金髪の彼に向かって言ったのです。
「黙れ銃使い、この2人だってこれから勇者と共に戦う仲間だ。余り関係を悪くする事を言うな」
静かな口調でしたが力強く、聞いている私も圧倒されました。
「悪かった悪かった。コイツの言うとおり、これから旅を続ける仲間達だもんな。俺はフィリップ・A・ライオネル! 何とでも呼んでくれ」
そう言って金髪の男の人……フィリップ・A・ライオネルさんは笑いながら私達に言いました。
ヴァンもそれに応えました。
「いえいえ、気にしていないので大丈夫です。僕はヴァン・クロニカ。ヴァンとでも呼んでください」
「わ、私はレシェス・セイリス・マリンです! マリンって呼んでください! よろしくお願いします!」
フィリップさんは、ずっと窓の外を見ているさっきの女性に向かって言いました。
「お前も簡単に自己紹介くらいしろよ、仲間って言ったのお前だろ?」
すると女性は振り向いて、小さな声でしたが圧倒される迫力で
「レイ・ラ・カルトラーズ。剣士だ」
とだけ呟くと、また窓の外を見始めました。
私は少し恐いな……と思いましたがきっと本当は良い方なんだろうなと思い、「よろしくお願いします」と頭を下げました。
私と、真面目なヴァン、そして少しチャラチャラしたフィリップさんに無口で冷静なレイさん。
この4人と勇者様で魔王討伐の旅に出ると考えるとワクワクと不安が止まらなくなりましたが、その想いとは真逆に、静かに椅子に座って私たちが呼ばれるのを待ちました。