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夏の最後らへんの朝。

「やっべぇ！俺ったら遅刻すんぞ！！」

ある家の二階から大声で響く声が家中に響く。

「柳！もうとっくに遅刻！」

あっさり 遅刻というのを伝えてきたのは、柳の母親だった。

「え……えぇ……まじか……」

それを聞いた柳はワイシャツを着ながら、力なく言った言葉は本当に遅刻かと思いたくないようにも聞こえた。

柳が通っている月の森学園。
先程では満月に見える学園とは言ったが、普段日中が森と一体化してよく見えないだけだった。(生徒なら当たり前のようにわかっているが保護者はわからない)

「とりあえずさっさと朝ごはん食べてさっさと行け！！」

一階から母親が怒っているかのように言うと、ちょうど着替え終わった柳がとぼとぼ降りてきた。

「あー学校めんどくせーよー！」

柳が子供っぽくジタバタしていると母親はため息ついて 椅子に柳を無理矢理座らせた。

「ほら さっさと食べな！」

母親はそう言い残して 奥の部屋へ行ってしまった。

「ちぇー いいじゃんかよぉー？」

とイライラしながら言うと、とりあえず 柳はテーブルにある朝ごはんを食べ始めた。

プルルルルル

その時(恐らく)学校からの電話が柳を一層イライラさせた。

続く