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Re: バネと役者。 ( No.3 )
日時: 2015/09/08 01:25
名前: miki* (ID: 1hluJEzQ)

01*部活

#002

『あめんぼあかいなあいうえお』

『うきもこえびもおよいでる』

『かきのきくりのきかきくけこ』

──…

「なんかー、かっこいいねー。」

「うんっ!だからさー、一緒に入ろう よー!」

「う、うん…、家で親と話してからき めるわ」

ほんと、かっこいい。

部活動勧誘の会の劇も、めっちゃ面白 かったし。 なにより、楽しそうだった。

──やっぱり入るなら、楽しい部活が いいよね。

「で?マリエ、どうするの?部活。ウチも今日いろんなところ見てきたんだ けど、やっぱうちはバスケかなって」

「えぇー、ナズナはバスケに入る のー?」

「私は今日、陸上見てきた。陸部にし よっかなー」

「え、エリカまで…」

帰り道。 薄暗い道をエリカとナズナと三人で 帰ってた。

「ねぇ、エリカ…ナズナ…一緒に演 劇…」

『絶対いや!』

「ひっ」

そうだよね、ナズナはそういうキャラじゃないし、エリカは人前に立つのさ え無理だもん。 どうしよう。帰宅部にする? でもそしたらアタシの青春が……っっ!

「まぁ…さ、ウチらと一緒じゃなくて もいいんじゃないの?」

「そうだよ!カリナちゃんが入るか らって、他は誰も入らないってわけ じゃないんだし。」

「いや、別にアタシはカリナちゃんの こと、嫌いってわけじゃないよ? まぁ、苦手っちゃあ、苦手だけど…」

カリナちゃんは、小学校の頃から随分 嫌われてるみたいで…。 アタシも、仲良くやっていける自信は ない。

「でもさ…マリエは、ウチらとだけ じゃなくって、他の人たちとも仲良く しないと、これからやっていけない よ?」

「………」

「そ、そうだよっ!まぁ、私が言える ことでもないかもだけど…」

「ほんとや、エリカが言えないじゃん」

近所迷惑ってほどの、笑い声が響い た。

「ほら、笑った。」

「え…?」

「マリエ、最近笑ってなかったじゃん ねぇ?」

「え、そうかなぁ、、、」

最近、笑ってない? 友達が面白いこと言ったら笑ってた よ?

「うん、だって、笑ってても、心の中 からは笑ってなかった。」

心の中から…か。 アタシって、ナズナとエリカの前でし か、笑えてない!?

でもそれって、ナズナとエリカが心友 だからだよね…。 部活ばらばらになっても、心友だよ ね???

「あのさぁ、マリエ。ウチらだけやな いんや。マリエの心友は。」

「そうだよっ、私たちだけじゃない。 今からいくらでも作れる!」

いくらでも…作れる…。

アタシに…できるかな…?

ナズナや、エリカみたいな、心から通 じ合える、心友。

「…出来るのかなー、私なんかに」

いや、きっとできるよね。 こうやって、支えてくれる親友。

「よーし、明日から頑張ってみる!」

「そうこなくっちゃ。」

まってろ!明日!

バネと役者。<部活 #002終>