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Re: バネと役者。 ( No.4 )
日時: 2015/09/08 01:26
名前: miki* (ID: 1hluJEzQ)

01*部活

#003

「ただいまー」

「おかえり。荷物置いて、着替えて来 なさい」

「はーい」

玄関前の階段を上がって、

自分の部屋へと駆ける。 部屋着に着替えたら、屋根裏部屋へ上がった。 そして、窓際のノートをとって新しい ページを開いた。

《date.April.16th》

明日の日付。 一般に未来日記というやつ。 アタシはいつも、未来日記を書いてる の。

《今日、心友と呼べる人が増えた!》

それだけかいて、

月光に当ててると、未来日記の効果が でそうでしょ?

「マリエー、ゴハン出来たわよー」

「はーい」

軽く返事をして、リビングにむかう。

決めた。アタシ、演劇部に入る!

「あ、来た来た。どう、部活決まった?」

「うん。アタシ、演劇部に入る!」

「……え?」

ママは、『なんで演劇?』って顔して る。

「…だめ?」

ママは表情を変えないまま、ううんと首を振った。

「……?」

「マリエ、ナズナちゃんとエリカちゃんと一緒の部活にするって言ってな かった?」

「うん。でもね、やめた」

「どうして、マリエが1人で決めるなんて…」

「一人じゃないよ。エリカとナズナと 一緒に決めたんだよ」

「……?」

「アタシ、二人に二人の前でしかホン トの笑顔を見せてないって、気づかさ れた。」

これからは二人以外にも心から笑いあえる友達を作りたい。
だから、

「アタシ、今まで二人しか友達居な かったのかなって思ったら、自分がさみしくなっちゃって」

一人で、冒険してみたいんだよ。

「だから、二人とは違う部活に入っ て、新しい自分を見つけたい」

話し終わると、お母さんは、

「成長したね」

といって、笑った。

「入部希望の封筒、貸して」

封筒に入部金を入れてもらって、部屋に戻った。

──コンコン

「お姉ちゃん、ちょっといい?」

「ナミエ?どうしたの。」

「ここの問題、教えて!」

「なにー?小5の問題なんてねー、飯前よ」

──…。

分らない…。

「おねぇちゃん?どーしたの?」

心配そうにしてるけど、心で笑ってる。

妹のナミエは小学5年生。 可愛いけど、中身は小悪魔だ。

「ちょーっと待って。今考えるから」

「分らないなら、無理しなくてもいい よ?」

「分かる!だからちょっと待ってて!」

計算問題とか、分んないんですケ ド…?

「へー、お姉ちゃん演劇部入るの?」

「あ、それ大事なんだから、とるなっ!」

アタシはナミエがとった封筒を取り返 した。

「そうだけど、なにか?」

「んー、べつにー?ナミエも中学生に なったら演劇部にしようかなー」

「やめてよねー、」

アタシはノートをナミエに返した。

バネと役者。<部活 #003終>