コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 大原優乃No,3「彼女と彼等」 ( No.10 )
- 日時: 2015/10/04 21:37
- 名前: ことり ◆E09mQJ4Ms. (ID: /bKE8PZK)
「じゃあ、自己紹介カード書いてね」
教壇にたっている私達の担任は皆に向かって、そう言った。
その人物は森久史(mori hisashi)__森先生という。
「担任の森久史です、よろしく」
なんだ、案外つまらなさそうな先生だな。
__どうせ自己紹介もつまらないに決まってる。
でも、森先生はその期待を見事に裏切ってくれた。
「好きなキャラクターはスパイダーマンで、色は赤が好きです」
「ラーメンを食べると、必ずお腹を壊します」
「みかんが嫌いです」
森先生の自己紹介はどこか幼稚でおもしろおかしかった。
偽善ぶる先生とは違うな、本気でそう思えた。
でも、まだ私達は知らない。
その後の悲劇を。その後の事態を____
*
「はい」
そういって彼女__このときは出席番号が前後、という共通点しかない彼女はプリントをまわす度にそういう。
正直、こっちはこっちでいちいち返事したり会釈したりめんどうくさかった。
でも、それも彼女なりのコミュニケーション。
ましてや、初対面。
スルーするわけにはいかない。
一応「ありがと」って言ってみたりする。
正直、キャラじゃない。
「エ●ンよりもリ●ァイのほうが好きなんだけどなー」
「私も。兵長カッコイイし」
「あ、やっぱ?」
前を見ると、すでにプリントをまわし終えた彼女と彼女のとなりのでっかい人・・・がアニメの話で盛り上がっていた。
すごい、もう馴染めてる。
同じ小学校だったのかな。?
ん、、そういえばあのでっかい奴どっかで見たことある・・・?
そう思ったが、思い出せなかった。
後ろを見ると、小学校が一緒だった、が、話したことなかったりりちゃん。
そして、その隣にまた見たことあるような・・・?男子がいた。
私は記憶力がさほどよくないようだ。
全く思い出せない。
そして、となりは・・・
「なんだ、けいたかぁ〜」
「俺で悪いかよ」
「別にぃ〜」
たいそう仲良くはないが、ある程度は話したことある人物だった。
周りはこんなもんか。
そう思って、教室中を見渡す。
本当に知り合いいないなぁ、と改めて思った。
男子は、りょうぐらいしかつるんだことあるやつ・・・っていうか、りょうとはイツメン・・・というか、とにかく毎日のように遊んだのを覚えている。
女子は・・・本当にいない。
いうなら、トレセンで一緒だったあやちゃん。でも、久しぶりすぎて話しかけれない。そして、ゆき。
個人的には、ゆきのことはあまり好きではない。
低学年のころは仲良かったが、学年があがるにつれて関係は薄れていった。
でも、ゆきも仲いい人いなさそうだし、とりあいずってかんじなぁ。
まぁいいや。
そんな考え事をしてると、もう帰りの挨拶は終わっていた。
はぁ、あしたからの生活が不安すぎる。
「よ、優乃」
「あ、りょう。どうしよう。死んじゃう。仲いい人いない」
「死んじゃうなら死ね」
「ひっどっ!!!」
「ひどくないっつの。つか、俺のが死ぬ。坂下と席前後」
「・・・ドンマイ」
坂下だい(sakashita dai)・・・・去年も私とりょうは坂下と同じクラスだった。
でも、坂下はとりあいず嫌われもので、まぁ理由はいろいろあるのだが近寄りたくない存在なことは確か。
そんな彼と席が前後なんてたまったもんじゃない。
落ち込むりょうにドンマイ、としかかける言葉がなかった。
りょうは、基本ドSで小6のときはとにかくモテた。
私はこの男のよさがわからないが、とにかくバレンタイン直前に「優乃ちゃん、りょうと仲いいでしょ。お願い!りょうにチョコ渡すの手伝って!」と5人ほどに言われたのを覚えている。
コイツのモテる原因が何かはいまだに不明。I don't know!!!!
「優乃ー!一緒に帰ろ!」
教室の扉の前には幼稚園からの付き合いの大親友_ゆいがいた。
「あ、りょう!おひさー!」
そして、彼女もまた小学生のときのイツメンの一人だった。
「よ、久しぶり」
それから私達は少し雑談や思い出話をして、教室をでた。
____これが一日目の終わり。