コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: メンタルくろうばーZ!【実話合作】 ( No.6 )
- 日時: 2015/09/25 18:18
- 名前: ことり ◆E09mQJ4Ms. (ID: /bKE8PZK)
「それでは、平成26年度入学式をはじめます」
教頭先生のその一言でソレは幕をあけた。
在校生のみでの校歌斉唱。校長先生のやたらと長い話。全校代表で生徒会長をやっている友達のお姉ちゃんの話。
それらはすべてつまらない。
「桜の咲き乱れるなか・・・」「晴天にめぐまれ・・・」
すべてありきたり。
そもそもこの学校の桜なんてしょぼいんだよ、晴天じゃなくて曇りだろ、そんなつっこみを所々心の中でいれているなか、このくそつまらない入学式で1つだけ真面目に話を聞こうと思ったとこがあった。
「新入生代表挨拶、林美柚(hayasi miyu)さん」
その名前は懐かしみを感じるものであり、ああ、あれから半年か、と思い立たせるものであった。
*
「林美柚です、よろしくね!」「福井あや、よろしく!」
今でもその台詞を覚えている。
緊張でガチガチだった私の心を解きほぐしてくれた。
そのときは、声をかけてくれたことが嬉しくて、でもうまく話せなくて。
「名前、なんていうの?」「え、あ、うん、大原優乃」
なんだか棒読みのような台詞しかいえなかった。
周りには知り合いがなくて、でも____
2人がいてくれたからがんばれた。
______これは、小6の夏休みの話。
「ねぇ、お願い、優乃なら大丈夫だって」
今では恩師_そしてこのときは担任だった服部先生に薦められたものだった。
「リーダーシップトレーニングセンター・・・か。どうしよう」
"リーダーシップトレーニングセンター""略してトレセン。
私達の郡の30校ほどの小学校と15校ほどの中学校の代表それぞれ2名が少年自然の家という宿泊施設に2泊3日し、リーダーシップを学びまた赤十字についても学ぶ、というものだった。
つまり、知り合いがほぼ皆無のなかで2泊3日しなければならない。
案外人見知りな私にとって、ものすごく苦痛な行事ということだ。
でも、服部先生のお願いは断れない。児童会、学級委員、委員長とまわってきたのだが誰しもが却下、もしくは予定があっていけない、ということで1人分まだ空席だったようだ。
わたしにできるカナァ。
でも、行ってみたい。そう思う気持ちは強かった。
結局OKし、そこで美柚ちゃん、あやちゃんと会うこととなる。
*
懐かしい、皆元気にしてるかな。
そこで出会った仲間達の顔が思い出される。
皆とは、今でも毎年年賀状。そしてたまには手紙を送ったりしてお互いがんばっている。
美柚ちゃんも、その一人だった。
あのとき美柚ちゃんが私にしてくれたように、私も壇上にあがっている美柚ちゃんを心で応援した。
がんばれ、美柚ちゃん。
でも、美柚ちゃんはそんな私の応援も要らないんじゃないか、と思うくらい完璧にスピーチを成し遂げた。
すごいなぁ、やっぱ敵わない。
___そんな時だった。
視線を感じる。
そうおもって、きょろきょろと回りをみていると隣の女子_出席番号が前の子が私の後ろの方をじっと見ていた。
なんだ、気のせいか。
そう思って、彼女の目をみると目があった。
それから、彼女はじっと私を5秒程見て首をかしげながら視線を前にもどした。
なんだったんだろ。
なんか変な子ダナ。
それが、彼女の第一印象。