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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 冷めた太陽 ( No.22 )
- 日時: 2015/09/13 17:57
- 名前: ぽんた。 (ID: AwUzQTp7)
∇∇∇ーー扉ーー∇∇∇
「どこにあると思う? たぶんね、絶対分からなかったと思うのよね。でも、とっても身近なところ。」
私達は二階ヘあがる。向かった先は……。
「え、私の部屋?!」
「そう。さ、入って。」
私はドアノブを握って中ヘ入る。あたりを見回しても、特に怪しいものはない。一体どこにあるというのか……。
そんなこと思いながら探していると、お母さんが微笑みながら、
「ここよ。」
見るとお母さんは本棚に手をあてていた。その本棚は結構大きくて、模様替えするときも今まで一度も動かす事はなかった。だから、小さい頃からずっとあの場所にある。
「ケラヒヨラビット」
お母さんがそう唱えると、その本棚に入っていた本が不思議なヒカリを放ちながら宙に浮き、窓辺の床に綺麗に積み重なる。そして本棚が浮き、少しずつずれていく。私はそれをただ呆然と眺めていた。
本棚があった場所には、木製の扉があった。そしてそこから、冷気が流れてるような気がした。
「ここ。びっくりした?」
「う、うん……。」
私はまだ、扉の存在よりもお母さんの魔法にびっくりしていた。お母さんはそんな私のことを微笑ましく眺めている。気づけばお母さんの目がエメラルドグリーンになっていたさ
「さ、行こうか。」
「え?」
思わず間抜けな声が出た。
「ほら。早く。」
お母さんが手を差し伸ばす。私はその手を握る。
そしてゆっくりとお母さんは扉をあけた。
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