コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 冷めた太陽 ∇第2章入学 更新中∇ ( No.38 )
- 日時: 2015/10/10 17:57
- 名前: ぽんた。 (ID: jFu2moab)
∇∇∇ーー卒業ーー∇∇∇
「横井柚月!」
「はい。」
ゆっくりと壇上へ上がって、校長先生から証書を貰う。
今日は中学校生活最後の日。私は早くも涙目になっていた。
私が魔法使いになることを決心したあの日から1ヶ月。アスタチアには2回行った。1回目にいったときにあれだけ疲れていたから、それになれるための練習みたいなもの。それから、町の案内と、住む家を探しに。
アスタチアには、色々と町があって、私の住む町は、ジョアルという町。学校は隣町のネラブにあり、比較的近い。ジョアルは北の方に海、西には賑やかな商店街、東の方は公園がある。南の方には丘があって、そこからみた町並みは、絶景だった。私はそんな丘の上にある空家をもらった。
とにかく、よく見て回ればとても楽しい町で、特に物騒な事件もないので、これから楽しくやっていけそうだ。
そんなこんなの1ヶ月。人間界の世界では、世間は卒業式シーズンを迎えていた。涙の合唱、涙の集合写真、涙の別れ。卒業式は終わり、教室へ泣きながら戻る。担任の長い話も、今日だけは特別に感じ、嫌な感じはしなかった。
「起立、気をつけ、礼!」
「ありがとうございました!」
終始泣いていた私たちは、校舎を出て、中庭で中学校に別れを告げていた。何人かは好きな人に告白したり、第二ボタンを貰ってたりしていた。私はそんな青春とは全く縁がなく、友達とただ喋っていた。
来週から、高校入試がある。それは、私には関係の無い事だけど、皆は私も入試を受けると思っているものだから、お互いにがんばろう、とか言ってる。私が魔界で魔法使いになる、なんて言ったらどういう反応をするだろうか。予想はつく。初めの私みたいに信じないんだ。きっと。
でも私は絶対になる。伝説の魔女、マーサを超える魔法使いに。
私は3年間をともに過ごした友に別れを告げて、皆より先に帰った。