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- Re: 冷めた太陽 ∇第3章 更新中∇ ( No.40 )
- 日時: 2015/10/12 10:17
- 名前: ぽんた。 (ID: lMEh9zaw)
∇∇∇ーー友達ーー∇∇∇
扉をあけて中ヘ入る。この不思議な感覚にももう慣れてきた。ここは、学校の中。私も何回かくる内に知ったんだけど、魔界ヘの扉は開ける人の意志で魔界のどこへでも出れるらしい。
中には、校長が立っていた。
「お、おはようございます。」
「おはようございます、校長。」
「おお、アリサにユヅキよ、待っておったぞ。さあ、あの赤い扉に進みなさい。皆待っておる。」
皆って……もしかして、遅刻?
そう思いながら赤い扉に向かう。そしてドアノブに手をかける。少し深呼吸をする。
「じゃあ、頑張ってね。」
お母さんが言う。
「えっ、来ないの?」
「中は教室よ。人間界みたいに式典なんて無いのよ。」
じゃあなんで入学式なのよ、とか思ったけど、まあいいか。とりあえず中に入ろう。
ドアノブを回して前へ押した。
そこは、少し狭めの教室だった。人間界とは違う。入り口は1つで、しかもそれは教室の後ろだった。前に黒板はなく、机は1人分のが大きいけど、あるのは8セットだけ。横に4列、縦2列。だから教室も少し横に長め。開いてる机はあと2つだった。
席……決ってるのかな……?
「あっ、ユヅキちゃん? だよね? だよね?」
いきなり話しかけられ、驚いて後ろを向く。そこには白い肌にぱっちりした茶色の瞳、こげ茶の髪にはカールがかかっている、可愛いか綺麗か、どちらかと言えば可愛い女の子が立っていた。
「うん、そうだよ、ユヅキ。呼び捨てで呼んで! えっと、そっちは……?」
「ユキナ! 呼び捨てで呼んでっ! よろしくね。」
「よろしく、」
軽く握手をする。うわっ、指細っ。
「あ、ユヅキの席、ここだよ、私の席の隣!」
そう言って教室の左から2番目の後ろの席に案内された。ユキナはその左隣。私たちはその席に座ってしばらく喋っていた。ユキナは明るくてノリがよくて、私と気が合うタイプだった。
なんか、いきなり友達も出来ちゃったし、上手くやっていけそうだな。
そう安心した。