コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 冷めた太陽 ∇第3章 更新中∇ ( No.42 )
- 日時: 2015/10/12 13:14
- 名前: ぽんた。 (ID: lMEh9zaw)
∇∇∇ーー学級ーー∇∇∇
——ランコローンカランコローン♪
「ん、なんだなんだ、この音。」
「ほんとだ、なんだろう。」
ユキナとそんな話をしてた、その時だった。
「みなさーん、はじめまーしてー!」
変なテンションとイントネーションで入ってくる女の人が、前の教壇に現れた。魔法かな?
教室中がざわつく。前にはきれいな長い黒髪に紫の眼鏡をした、20代後半くらいの女性が立っていた。
「あーら、みなさーん、私のこーと、誰かわかってーない?」
そりゃわかんないよ。というか、イントネーションがおかしすぎて聞き取りづらい。
「私はこのクラスを担任することになった、ザスベルよ。よろしくね。あと、あの喋り方だと皆聞き取りづらいみたいだからやめるわ。ふふ。」
ザスベル先生か。なんか、変わった先生だな。
「なんか、変な先生だね。」
ユキナがこっそり言う。同じ事思ってた。やっぱり私達は気が合うのかもしれない。
「はい、まあ、それでですね、このブロンドクラスの教室は赤色の扉の教室ですね。これから間違えないで来てください。あとそれから制服でーす。」
ザスベル先生が指を下から上へあげる。ふると、私達の机の上に配られる。
「あ、可愛い。」
「ほんとだ! 人間界のより全然可愛い!」
その制服は、グレーのチェックのワンピースで、裾は膝上丈のフリルになっていて、こしにリボンがついている。ジャケットは深い緑で、ブーツは黒いショートブーツだった。
「これを着る呪文は、『クツニミー』です。では、あなた達の右手の人差し指にめてあるりリングに込めて、指を振ってください。」
皆がそれぞれ呪文を唱え始める。
「クツニミー」
私もリングに向かって唱えた。そしてゆっくりと下ヘ半円を描く。
「わあっ……!」
不思議な光に包まれて、制服を身にまとう。壁にある姿見を見ると、二つ結びにしていた髪はほどかれ、天然パーマの髪に黄色の星の髪飾りがついていた。
「ユヅキ、ちょーかわいい! 似あってるよ!」
ユキナが隣でそんな事言って来た。
「ありがとう。って、ユキナの方がかわいいよ! モデルさんみたい!」
「ええ? ありがとう。もう、そんな事言われたら照れちゃうやん。」
そう言ってユキナは照れる。でも、ホントにユキナあ手足が細いし顔が小さいからモデルさんみたいだ。
「ていうかさ、うちら魔法使えたね!」
あ、そういえば。
「ほんとだ。使えた! 初めてだ……!」
「はーい、皆さん、着替えられましたね。この中に、魔法使いへのイメージを抱いている人はたくさんいると思います。たとえば、トンガリ帽子とか、魔法の杖だとか。ですが、そういうものはこの世界に一切ありません。あるのはリングとペンダントだけ。いいですね?」
「「はーい」」
「先生!」
私の右隣の男の子が手を挙げた。その子はクリッとした茶色の瞳に茶髪の、可愛らしい顔をしている子だった。癒やし系だ、モテるんだろうな。
「なんですか、カズキくん。」
「あの、僕の隣は誰もいないんですか?」
カズキっていう人の隣を見ると、机が1つ空いていた。
「あー、マサキね。皆と1つ年上なんだけど、昨年度のランクアップテストに不合格でね、もう一度ブロンドクラスなの。だから、仲良くしてね。くせのある子だけど……。」
えっ、留年?! そんなのあるんだ……。でも、1つ年上って、上手くやっていけるかな……?
そんなこんなで、私達の1年は始まった。