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- Re: 冷めた太陽 ∇第3章 更新中∇ ( No.45 )
- 日時: 2015/10/12 22:12
- 名前: ぽんた。 (ID: lMEh9zaw)
∇∇∇ーー留年ーー∇∇∇
「あーらー。マサキ。やっときたのね。この子達、新入生。仲良くしてあげてね。」
「ああ、そういうこと。ったく、なんで俺だけ留年なんだよ。ってか、またお前が担任? はあー。」
やっぱりあなたが留年生でしたか。上手くやっていける気がしない。ユキナに目をやる。きっとユキナもそう思ってる……はず!
見るとユキナも留年生くんを見て震えていた。あいた口が塞がらないとはこういう事だろう。
——カランコローンカランコローン♪
鐘の音が鳴る。この音はこの学校のチャイムだったらしい。というか、さっきから留年生くんがこちらを見ているのは気のせいでしょうか。
「はーい、では皆さん、全員揃ったところで、まずは自己紹介に行きましょう。では……はい、ユウキから。」
「はい!」
そう言って、私の左斜め前の男の子が勢い良く立つ。
「えっと、蒲田悠稀です。ユウキって呼び捨てで呼んでください。これから1年間よろしく。」
うわ、すごい爽やか。顔もかっこいいし、この人もモテるんだろうな。なんてお思ってユキナの方を見る。あ。凄く目がキラキラしてる。一目惚れだな、きっと。応援してあげよう。
ユウキの次はマコト、ヒロミ、ナツミと続いて、ユキナの番になった。
「中野雪奈です! 呼び捨てOKです! 好きな食べものはいちごのショートケーキです、よろしくね!」
わ、いちごのショートケーキとか可愛すぎ。しかも最後バリバリユウキに向かって言ってたよ。分かりやすい性格だな。あっ、次私の番だ!
忘れていた私は慌てて立とうとするけど、足が椅子の脚に絡まってふらつく。
「いたたたた……。」
「え、ちょっとユヅキ慌てすぎだよ。」
ユキナが笑いながら言うと皆が笑う。少し恥ずかしかったけど、しんとなるよしはマシだったからユキナに感謝した。
ああ、それでもあの留年生が笑ってないのが気になって怖くてガチガチだ……。
「え、えっと、よ、横井、柚月、です。えっと、その、あの、よ、よろしくおねがいします!」
そう言い切って早く座る。
はあ、怖かった……。
「ユヅキ、大丈夫? うわっ。」
「え、なに?」
ユキナは私の耳に寄せて小声で言う。
「あのマサキとかいう奴、またユヅキの事見てるよ、もしかして、ユヅキの事好きなんじゃないの?」
そう言われて右をみる。カズキが自己紹介してるのを見るふりをして留年生くんの事を見ると、バッチリ目があう。私は反射的に目を逸らす。え、好き? ないない。絶対目つけられてるだけだって。
「ないよ。多分、私がさっきやらかしちゃったから、目つけられちゃったんだよ。」
なにいってんの、なんて言いながらカズキの自己紹介が終わったので拍手をする。
「じゃあ、最後。マサキ。」
「はあ。」
留年生くんは大きくため息を付く。
「中村将暉。ご存知のとおり、留年生だ。年上だからと言って気を使うな。所詮俺はシルバーランクに上がれなかった落ちこぼれだ。それと……お前。」
え……何……私の方向いてる? ユキナ?
そう思って後ろを向と、
「お前だよ。えっと……ユヅキだっけ?」
「は、はい!」
勢いで立ってしまう。
「俺は怖がられるのが嫌いだ。」
「は、はあ……。」
「普通に接しろ。」
「はい……。」
私は静かに座る。
普通に接しろって、皆怖がってるよ。なんで私だけ……? 公開処刑だ。
「はい、では皆さん、今日はこれでおしまい。皆仲良くするようにね。それじゃあ、気をつけて帰るのよ。」
「「さようなら。」」