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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 君 と い う 名 の 海 に 溺 れ て く 。 ( No.4 )
- 日時: 2015/09/13 12:06
- 名前: 羽海 . ◆vLMSJh5x/Q (ID: .g3iy5Ut)
> 第1章 恋 を し た 。
走り続けて約十数分。
漸く、「碧葉高校 入学式」と書かれた板が置かれた正門が見えてくる。
正門の周りには、満開に咲いて枝がピンクに染められた、大きな桜の木が数本。
その下のコンクリートや土の上は、花弁の為ピンクの絨毯が敷かれていた。
正門を潜った後の生徒の胸元には、花飾りが付けてある。
きっと、花飾りを付ける係りである先輩に、付けてもらったのだろう。
そう考えていると、後ろから優しく肩をつつかれた。
「君、1年だよね。花飾り付けなきゃ」
「へ? あ、ありがとうございまー……」
可愛らしい声に振り向くと、言葉が途切れた。
サラサラのショートカットの髪が、春風に靡いて。
眉毛辺りまでの長さに揃えられた前髪。そこから覗く、大きな瞳が印象的だ。
華奢な身体で、俺より低い身長の小柄な彼女。
柔らかな風が吹くなか。
細い指で学ランに花飾りを付ける、透明感溢れる彼女に、俺は————
恋 を し た 。
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