コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: いつか始まりの魔法世界 ( No.1 )
日時: 2015/09/12 21:11
名前: 九尾桜花 (ID: btNSvKir)

第零話 始まりは光と共に

総暦1518年、人類が西暦という暦に終わりを告げてから1518年たったある日のことだった。

『世界政府機関からのお知らせです。世界政府機関は、このたび異世界生成に成功しました。そのため、人類の半数をランダムで異世界へ転送します』
 
私——霧島咲花は、驚きを隠す事が出来なかった。今は、学校にいる。丁度休み時間で、お気に入りの場所である屋上で、友人と昼ご飯を食べていた。

「え、ちょっと、どういうこと?」

『全世界の方が、今同じ疑問「え、どういうこと」と思ったと感知しましたが、そのままの意味であると、理解して下さい』

「ふえ!?」

 パァ、っと足元に光の輪が浮かびあがる。
 思わず、変な声をあげてしまった。

『三秒後に転送します。詳しくは、向こうでの説明となります。皆さんの安全だけは保証させていただきます』
 
三秒、普段ならあっという間の瞬間だろう。しかし、こんなにも長く感じた事はない。
 
「美菜、助け———ッ!!」
 
一緒に昼ごはんを食べていた美菜は、ランダムで選ばれた人間ではないのだろう。私が手を伸ばして助けを求めると、自分だけでも逃れようと、必死で走っていく。
 ふと、周りを見ると同じような目に遭っているクラスメイトが目に映った。絶望したような顔をしている。
 今までも世界政府機関の身勝手な行動は、全世界を混乱の渦へと叩きこんできた。
 

 それでも。
 

 ここまでやばいのは、1518年前。これまでの歴史を全否定したかのような、新暦制定以来のことだと、私は思う。
 
 そこまで考えて。
 私の思考は一時停止し、
 光と粒子の演舞のなかへと吸い込まれた。