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其の六

「随分とハッキリ映って居ますね......?」
未希の母親の言葉に主治医は躊躇いつつも言葉を放った。

「ハッキリ映るのは良い事ですが、場合によってはハッキリ映るとその分だけ全体に病気等が広がっている事も有ります。」
と言うじゃないか。

泣き崩れそうになる母親の肩を、未希の2人の担当患者のうちの一人である優姫さんが優しく叩く。

「まだ......そうと決まった訳では無いですから、そう肩を落とさないで下さい。」
冷たい印象を与えるが、それでも言葉の重みは十分伝わる。

頬を伝う涙も少しずつ止まってゆく。

「それで、娘さんの結果ですが───」
次の言葉を逃すまいとしっかり聞き耳を立てて話を聞く。

「恐らく先ほども言った通り、全体に病気が広がっていると思われます。」

「やっぱり───そうなんですね。」
母親はそう言って黙り込んでしまう。

主治医は負けじと話を続けようとする......

「まだ此れは確定というわけでは無いのですが、あと余命も長くは無いと思われます。急に言ってしまいまだ全然整理が付かないのは分かりますが......」

「そうですよね───」

「未希さんとも話し合ってみてくださいね。」
少し微笑む表情にはやはり寂しげしか感じられなくて、寂しげな表情に寂しさで返すという空気は何ともいえず耐えがたいものだった。

【続く】

gdgdになってしまいました。
たった500文字なのに、1時間以上掛ってしまったｗ

byてるてる522