コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕と君との2年間。【参照1000突破♪】 ( No.115 )
- 日時: 2016/01/24 13:51
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
episode1
急に桃ちゃんが入院して来た。
入院したと知ったのは嘉音ちゃんがそう言って居たからなのだ。
「あっ……桃ちゃん!!」
ベッドに寝て居る桃ちゃんは、
「なんかまた急に動かなくなっちゃったよー。何回も経験して居るのにやっぱり頭真っ白になっちゃうね。」
悲しそうに目を伏せる桃ちゃんは、どうにかしたいと思わされた。
私が出来る事は有るわけでは無いのだが、せめて普段は離れて居る時を埋めたい。
「此れから一緒に居れるね!!」
私が言おうか迷って居た事を桃ちゃんは先に口にする。
何時も先を越されちゃうなぁ。
残念だけど、その通り。
私も桃ちゃんも同じなんだなぁとしみじみ感じた瞬間だった。
「うん!!」
私も同じだという気持ちを込めて、深く力強く頷いた。
【続く】
第5章で有ります(笑)
宜しく御願いします♪
byてるてる522
- Re: 僕と君との2年間。【参照1000突破♪】 ( No.116 )
- 日時: 2016/01/27 19:19
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode
episode2
そうは言ったけれど、私の前では元気を装う桃ちゃんもやっぱり治療はキツイみたいで溜め息の数が増えたように感じる。
毎回そうだけれど桃ちゃんが入院して直ぐに退院出来るのはそれなりの治療をして居るからなのだと思う。
辛そうだなぁと思うけれど、私が代われる事じゃ無いしただ見て居るだけも耐えられない。
辛そうにしてる時、どうすれば良いのか分からなくて距離を置いてしまう自分が嫌になる。
「別に、未希のタイミングで話しかければ良いんだよ。深く考え過ぎ」
バッサリと切り捨てる澪ちゃん……。
「そんな事言ってもさー」
あーだこーだと言う私の肩をバシッと叩いて澪ちゃんは「まぁ頑張れ」という表情を浮かべてベッドに横たわった。
フゥ……──と軽く息を吐いて、病室をソロソロ〜っと抜ける。
「桃ちゃん??」
きっと居るであろう病室へ行く。駆け足気味だ。
「ハイハイー!! 未希ちゃん?」
明るい返事が聞こえて、私は少しだけ安心した。
【続く】
スミマセン、切ります((
byてるてる522
- Re: 僕と君との2年間。【参照1000突破♪】 ( No.117 )
- 日時: 2016/01/29 16:55
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode
episode2.5
「今は平気なんだ〜!!」
ニコニコしている桃ちゃんを見て、本当に安心する。
「良かったぁ。心配してたよ」
御互いに顔を見合わせて笑いが溢れる。
裏表が少しある桃ちゃんもこういう時は一切感じ無いほど真っ直ぐだ。
「未希ちゃんも頑張ってね! 私はもうじき退院できそう」
「良かったけど──ちょっと寂しいなぁ」
俯く私の肩を叩いて桃ちゃんは力強く……
「何時でも御見舞い来るよ!!? だから頑張って」
真剣さに私も言い訳できずに頷く。
「遠いのに御免。」
「そういうのは気にしないで良いの」
前は入院しても直ぐに退院出来る──……自分の目の前から消え去ってしまう桃ちゃんが羨ましいなんて感じてしまった事が有った。
なんて事を思って、考えて居るんだろうかと呆れてしまったけれど、私には私なりの。桃ちゃんには桃ちゃんなりに色々有るんだなって気付いた。
今は、人に優しくされてばかりでもその優しさを何時か返せる時が来れば良いなぁって。
【続く】
byてるてる522
- Re: 僕と君との2年間。【参照1000突破♪】 ( No.118 )
- 日時: 2016/02/02 17:58
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
episode3
桑山錬。もうすっかり入院生活が板に付いてます。
寧ろ病院じゃ無いと落ち着かない──其れは無いか。
自分の言葉に苦笑してしまう。
そりゃあ、サッカーしたいなぁって思って無い訳じゃない。
でもしっかり怪我治ってから思いっきり走りたいなって思える。
「そっか、そういう目標とか有るから良いなー!! 私も走りたい!!」
「サッカーやる??」
「でも難しそう。」
「平気じゃ無い? やった事無い?」
「まぁ……学校も行って無いからねー」
「そうか。」
ずっと病院居る人だって居る。
そんな中だったら全然短い期間だし、幸せだと思う。
「でもさ……?」
未希の言葉の続きを待ち構える。
「此処は良い人ばっかりだし、楽しい!! そりゃあ学校も行って見たいけど私からすれば知らない人ばっかりって感じじゃん?」
──思っていたよりもずっと色々考えて居て、驚いた。
「知らない事ばっかりなんだけどねー。」
まだまだ此れからじゃん?──そう思ったけど口には、言葉にはしなかった。
【続く】
byてるてる522
- Re: 僕と君との2年間。【参照1000突破♪】 ( No.119 )
- 日時: 2016/02/05 18:34
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
episode3.5
「もうさ、年上って事忘れちゃいそう!!」
「オイ!?」
だってそうなんだよなぁ。
やっと思って居た事がハッキリ言えたよ。
「……もしかして今、未希は言えて良かったーとか思ってるの?」
声真似をしてそう尋ねる澪ちゃんに、私はたじたじしてしまう。
勿論図星だからだ。
「──なんで分かっちゃうのさー……?」
「分かり易いんだもの。」
そんな事無い筈だけどなぁ。
「でもなんで、そう思ったんだよ?」
錬くんの質問に私は食い付き気味で……
「なんか年上って、堅苦しいイメージ強いんだけど、全然錬くんてそう言う感じ無いなぁってさ。」
「それは良い事なのか……。」
「さぁ。よく知らないけど、良いんじゃない?」
何故か澪ちゃんがそう言うと「なら良いや。」と納得し始める錬くん。
「御姉ちゃんも、今は全然平気だけど一時期受験とかで凄く忙しそうな時は全然。近寄れないオーラ出てたし。」
「どんなオーラよ。」
「そう言えば澪ちゃんって兄弟姉妹居る?」
「因みに俺は、御兄ちゃんが居る。俺とそっくりでイケメンだよ!」
「そうなんだ。なんか錬くん可笑しくなってるね。」
きっとそう言うなら本当なんだろうなぁ……。
「私は、一人っ子。親戚の家で暮らしてたけど、寂しく感じた事は無いかな。」
強がってるような雰囲気。
でも、きっと違うのかな。
「でも今は、病院に居る人達が兄弟姉妹みたいなもの──かな?」
「うん? なんか言った?」
澪ちゃんは確かに何か言った。
「ううん。大した事じゃないから。」
そう言って、ベッドに横たわる。
いっつも必ずベッドに寝ちゃうんだよなー。──
「気になる〜!!」
独り言なのかどうなのか。
自分でさえ判断の難しい言葉を発して、ベッドに寝る。
【続く】
byてるてる522