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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 金色の魔女とオオカミ ( No.16 )
- 日時: 2015/10/06 21:10
- 名前: ぱすてる∞ (ID: Q.pGZPl6)
#8 愛を知った日。
リリーとウルフが出会ってから二年の月日がたった。
あいかわらずウルフはリリーをお姉ちゃんとは呼ばなかったし、態度だって変わらなかった。
でもリリーは毎日ウルフに会いに来てくれたし、毎日ウルフを家族だと言ってくれた。
二人の間には、確かな絆がむすばれていた。
ある日のことだった。
「ウルフ!ウルフ起きて!おねえちゃん、今日がすっごく楽しみだったのよ!」
そうそう、リリーの一人称はウルフの前では、『わたし』から『おねえちゃん』に変わった。
おそらく、ウルフにお姉ちゃんと呼ばせるための作戦だろうが、ウルフはおかまいなしといった感じだ。
もっとも、それで諦めるリリーではないのだけれども。
「ね、ウルフっ!今日はなんの日か知ってるかしら?」
「…ん、お花祭りの日?」
眠いまぶたをこすりながら、そう答える。正直、面倒くさい。
「違うわよ!いい?今日はね、ーーウルフの誕生日なの!」
「誕生日…。あぁ、そういえば」
「もっと喜んでよ。おねえちゃん、悲しくなっちゃうじゃない」
「何でリリーが悲しくなるんだ」
他人のことで悲しくなってしまう姉に苦笑しながらベッドから降りる。
「今日のために、おねえちゃん、すっごくがんばったの。とりあえず、着替えてきて?」
「……?」
何をがんばったのか、と首をかしげる。
今日は、疲れる一日になりそうだ。
▽▲▽▲▽▲▽
#8続く
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