コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 金色の魔女とオオカミ ( No.23 )
- 日時: 2015/10/15 20:10
- 名前: ぱすてる∞ (ID: Q.pGZPl6)
勉強の合間に。
∞∞∞
#9 イリマール国
眩しい朝日が瞼をやく。
部屋の中は、甘い匂いがただよっていた。
シュガーのお腹がきゅるると可愛らしい音をたてる。
それをきいてか、キッチンにいた子猫、ラユがこちらをみた。
「おはよ、シュガー」
「んー、おはよぅ。今朝はホットケーキ?」
大きく伸びをしながら、甘い匂いを思いきり吸い込む。
ホットケーキは、だいすきだ。
あのふわふわした感じといい、ほんのり甘い味といい、好みすぎる。
「そ。お寝坊なだれかさんのためにね」
「むう。いいもん、わたし、服着替えてくるから」
「…あ、そうだ。まだ時間かかるし、お散歩にでも行ってきなよ。んで、木苺とか、ハーブとか、あったら摘んできて」
「やったー!お散歩、久しぶり」
お散歩。最近、していなかった。
ウルフのことが気になって、外にでれずにいたのだ。
でも、今日は清々しい朝だし、木苺だって、見つけられればジャムにもできる。
そう考えると、わくわくしてきて、シュガーは素早く身支度をおえた。
髪はいつもの密編みにして、服は白を基調とした明るめのワンピースにした。
黒いマントは、被らなかった。
「じゃあ、行ってきます」
「うん。あんまり遠くに行かないでね」
「ん。分かってる」
そう言いながら、ドアをあける。
足を踏み出した、そのとき。
ぐしゃ。
あ、なんかふんだ。
そんな呑気な思考を停止して、下を見る。
手紙、だ。
この家にはポストがない。
前はあったけど、全然手紙がこないので、数年前にのけてしまった。
「……それにしても、めずらしい。手紙、誰からだろ」
踏んでぐしゃぐしゃになった手紙を手で伸ばし、差出人をみた。
『イリマール国、イリマール・キース』
「いりまーる?」
何処かで、聞いた名前だ。
とりあえず、ラユに聞いてみようか。
「ねえ、ラユ」
閉めたドアをまた開けて、子猫の姿を探す。
ラユは、キッチンでホットケーキを裏返しにしようと試みているところだった。
「手紙がきてるの。いりまーるさんから」
「ーーーっ!?」
ぼとり。ホットケーキがおちる。勿体ない、あとで鳥とかにあげようかな。
「イリマールって、国王様からっ!?」