コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 金色の魔女とオオカミ ( No.42 )
- 日時: 2015/11/12 18:35
- 名前: ぱすてる∞ (ID: Q.pGZPl6)
#20バートナー成立
「えっと、じゃあ、改めまして。ーーわたしの、パートナーになってください」
やり取りは、数時間前のものに戻る。
「オレが、いいのか?他にも、ましな奴はいるのに…」
「んーん。ましな人はだめなの。わたし、魔女さんと見た目が同じだから」
シュガーはそう言って己の髪にふれた。
ーー金色の髪に桃色の瞳。
思い出すのは、リリーしかいない。
「魔女さんって…。それに、その言い方だとオレがましじゃねぇみたいじねーか…」
はぁ、とウルフがため息をつくが、シュガーは首をかしげて「そうじゃないの?」と聞き返す始末。
「魔女、は金色の魔女のこと。かつて世界をほろぼした、世界で最も憎まれている存在だよ。うちの子、その人と容姿が同じなんだよね」
頭の整理がおいつかないウルフの代わりに、ラユが分かりやすく説明した。
そして、なるほど。
その話は、遥か昔の記憶だが、なんとにく聞き覚えがあるものだ。
「…そういうことです。だから、わたしには味方がいないの。でも、わたしを助けてくれたあなたなら…って思って」
まったく、厄介なやつを助けてしまった。
そうあのときの自分を恨みながら、大きく息をはいた。
面倒くさいし、迷惑だ。
でもーー。
「ーーおもしれぇ」
「ーー」
▲▲▲
次に続く。
- Re: 金色の魔女とオオカミ ( No.43 )
- 日時: 2015/11/13 20:40
- 名前: ぱすてる∞ (ID: Q.pGZPl6)
「え…?」
何を言われたのか分からないシュガーが可愛らしく首をかしげた。
肩から流れ落ちる金色の髪が印象的だった。
「おもしれぇ。……いいさ、なってやる」
「ほんと?!」
ぱあっと顔を明るくするシュガーをみて、表情がくるくる変わる奴だな、とひそかに思った。
ただ、パートナーになったのは、自分の目的のため。
それまで、シュガーを利用してしまう形になるけれど、あのとき助けた恩もあるのだし、見逃してほしい。
「オレは、オレの目的のためにお前ーーシュガーのパートナーになる。お前はそれに口出しするな。それでもよかったら、いいけど」
シュガーは人差し指をたてて条件をさしだしたウルフを上目使いに見つめた後、にっこりと笑ってそれを了承した。
「ん、じゃあお話し合いは終わったよね。ーーじゃ、二人とも手をだして」
ラユがふわふわ浮きながら二人に語りかける。
ウルフとシュガーは頭に?マークを浮かばせながらも、手をさしだした。
ラユはその両方の手をとり、二人の手を絡ませた。
「ラユの元において、ここに居るもの、ウルフとシュガーをpartnerとする。
契約期限は魔法試験が終了するまで。それまでは、partnerを止めることはできない。お互いの命を奪い合うこともできない。二人は、相手のことを互いに守り尊重し合うように努めよ」
金色の風があたりをとりかこみ、絡まされた手から、虹色に光るひし形の宝石が二つ、生み出された。
でてきたそれは、くるくると回転しながら、手の甲にくっつく。ーー否、うみこむ。
虹色の光がなくなり、手のこうをみてみれば、赤色をしたひし形のタトゥーみたいなものがあった。
「…お、すげぇな」
「わあ〜。かわいいー」
それぞれの感想を口にした後、再びラユが口を開く。
「パートナー成立、だョ?」
耳を指ではじき、子猫が笑った。